リファレンスチェックツール(シェア上位)
リファレンスチェックツールとは?
更新:2024年10月28日
監修
ITコンサルタント
堀口健二
リファレンスチェックツールは、採用候補者の現職もしくは前職の上司や同僚から評価を収集・分析し、採用判断の精度を向上させるツールです。 候補者の現職・前職での業務遂行能力やチームワーク、リーダーシップ、ストレス耐性など、履歴書や面接だけでは把握しづらい要素を、元上司や同僚からの客観的な評価として収集します。質問項目は、候補者を理解することを目的に構造化されており、必要な情報を効率的かつ公平に収集できます。 リファレンスチェックは、候補者が自社の求める人材像に合致するか否かの重要な判断材料となります。採用のミスマッチを防ぎ、採用後の早期退職リスクを低減させるとともに、組織に貢献できる人材の採用確度を高められます。
リファレンスチェックを行わないと起こり得る問題
採用活動において、リファレンスチェックを行なっていない企業も多いでしょう。そもそもリファレンスチェックを行わないと、どのような問題が発生し得るかを紹介します。
1
表面的な情報のみで採用判断をしないといけない
面接や提出書類だけでは、候補者の実際の業務遂行能力や、職場での振る舞いを正確に把握できません。特に、候補者が意図的に過去の実績を誇張したり、ネガティブな情報を隠したりしている場合、見抜くことが困難です。また、自己アピールが得意な候補者が有利になり、実力のある控えめな候補者を見逃してしまう可能性もあります。
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回答内容を正確に記録できない
電話や対面でのヒアリング内容を正確に記録することは困難です。会話の中で得られた重要な情報の聞き漏らしや、メモの解釈違いによる認識のズレが発生する可能性があります。また、過去の類似案件との比較検討が困難になり、判断基準が曖昧になりがちです。
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過去の問題行動を見落としてしまう
ハラスメントや不正行為など、過去の重大な問題行動を把握できないリスクがあります。問題行動に関する情報を見落としてしまうと、自社でも同様の問題が再発し、深刻な影響を与える可能性があります。また、問題発覚後の対応にも多大なコストと時間が必要になります。
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確認項目を標準化できない
担当者によって、確認する内容や質問の仕方にばらつきが生じ、客観的な評価が難しくなります。例えば、ある担当者は「リーダーシップ」について詳しく質問する一方で、別の担当者は軽く触れる程度かもしれません。また、質問の表現方法が異なることで、回答者から得られる情報の質と量に差が出てしまいます。
5
チームへの適合性を予測できない
候補者の実際のコミュニケーションスタイルやチームでの振る舞いを事前に把握できません。そのため、既存メンバーとの協働や組織文化への適応などの課題を見落としてしまう可能性が高まります。
6
第三者への連絡・調整が難しい
リファレンス提供者との日程調整や連絡手段の確保に時間と手間がかかります。さらに、連絡が取れない場合は、代替候補の選定や再依頼などの追加作業が発生します。
7
離職理由の実態を把握できない
候補者からの表面的な説明だけでは、前職の離職理由の真の背景を理解できません。同様の理由での離職を繰り返すリスクや、職場に潜在的な問題を持ち込むリスクが高まります。
8
評価の定量化・可視化が難しい
口頭でのやり取りから得られた情報の数値化や評価指標への紐付けが難しく、客観的な比較ができない状況も生まれます。例えば、「コミュニケーション能力が高い」という評価を、どの程度の水準として解釈するべきかの判断が難しくなります。また、複数候補者の横比較や、過去の採用実績との比較も困難です。
9
採用コストが増大するリスクがある
不適切な採用による早期離職や、能力不足による再採用の必要性が高まり、結果として採用コストが増大する可能性があります。また、社内教育にかかる時間とコストも余分に発生することになります。
10
法的リスクへの対応が難しい
個人情報の取り扱いや、質問内容の適切性が、担当者の判断に依存してしまいがちです。差別的な質問や不適切な個人情報の収集を防ぐガイドラインの徹底が難しく、コンプライアンス上のリスクが高まります。また、収集した情報の管理や廃棄も、適切な手順の確立と遵守が困難です。
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リファレンスチェックツールの機能
リファレンスチェックツールには、アンケートの収集・評価を簡単に行える機能が備わっています。また、採用前の調査・評価の判定に加え、採用後のフォローアップも行える機能が付属している製品もあります。ここでは、リファレンスチェックツールの基本機能と、特定のツールに付属している機能を紹介します。
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リファレンスチェックツールの基本機能
・テンプレートの利用 アンケートに使用する質問がテンプレートとして用意されている ・アンケートのメール送信 候補者が指定した上司や同僚に対して、アンケート内容をメールで送信する ・進捗管理 リファレンスチェックの進捗を確認できる
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【採用前】特定のリファレンスチェックツールに付属している機能
・回答の自動判定 リファレンスチェックの回答に対し、自動で評価を判定する ・バックグラウンドチェック 採用候補者の犯罪歴やコンプライアンス違反などの調査を行う ・採用管理ツールとの連携 採用候補者名簿の取り込みや評価情報のデータ連携ができる
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【採用後】特定のリファレンスチェックツールに付属している機能
・オンボーディングプランの最適化 リファレンス情報をもとに、個々の候補者に最適なオンボーディングプランを設計する ・配属部署の提案 リファレンス情報をもとに、候補者にマッチする部署を提案する
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リファレンスチェックツールの導入メリット
リファレンスチェックツールを導入することで、採用プロセスが大幅に効率化され、情報の信頼性と透明性が高まります。ここでは、企業がリファレンスチェックツールを導入することで得られる具体的なメリットを紹介します。
採用プロセスが効率化される
従来の手動でのリファレンスチェックには時間と労力を要しますが、ツールを利用するとリファレンス情報の収集や管理が自動化されます。さらに、自動通知機能によって、候補者や推薦者への連絡もスムーズに行えます。結果として、採用担当者の負担軽減や、優秀な人材の迅速な確保につながります。
採用の透明性が向上する
手動でのチェックでは、人による偏りが生じる可能性があります。ツールを使用することで、統一された質問や評価基準を設定できるため、公平な評価が可能となり、採用の公正性が向上します。また、デジタルで情報を記録・保存するため、後からの参照や監査時の対応を簡単に行えます。これにより、採用プロセスの透明性が確保され、企業の信頼性を高められます。
データを一元管理・分析できる
過去のリファレンス情報や評価結果を簡単に比較・分析できます。分析機能を活用すれば、特定の傾向を見つけ、採用基準を最適化することも可能です。データの一元管理により、採用に関する意思決定の質が向上し、適切な人材選びの根拠を得られます。
リファレンスチェックツールを導入する際の注意点
リファレンスチェックツールの導入にはさまざまなメリットがある一方で、気をつければならないポイントもあります。企業が考慮すべき注意点もしっかり確認しておきましょう。
社内の評価基準との整合性を確認する
ツールの評価項目や評価基準が、自社の求める人材要件と合致しているかの確認が必要です。例えば、ツールの標準設問が営業職向けに偏っている場合だと、エンジニア採用では必要な技術力の評価が不十分となる可能性があります。
候補者本人がチェック実施者を指名することになる
リファレンスチェックツールでは、候補者自身によって指名された人たちからフィードバックを得るため、基本的に友好的な意見が得られる可能性が高い点には留意しましょう。
収集データの分析・活用方法を明確化する
収集したデータをどのように採用判断に活用するかは、それぞれの企業の裁量に委ねられます。そのため、具体的な運用ルールを定める必要があります。例えば、複数のリファレンス回答で評価が分かれた場合の判断基準や、特定の評価項目が基準値を下回った場合の対応方針を事前に決めておくとよいでしょう。また、面接評価とリファレンス評価、どちらにどの程度重きを置くかも明確にしておくことで、導入後の混乱が避けられます。
内定者へのフィードバック方法を検討する
リファレンスチェックの結果を内定者にどこまで開示するか、どのようにフィードバックするかの方針を決める必要があります。例えば、強みには具体的なフィードバックを行い、入社後の活躍を促すことにつなげられます。一方、改善点は慎重に伝える必要があり、入社後の育成計画に反映させる方法を検討しておくことが重要です。
情報セキュリティ対策を確認する
収集した評価情報の保管方法や、アクセス権限の設定が、適切に管理できるかを確認しましょう。例えば、採用担当者の異動や退職時のアカウント管理方法や、データの保存期間・削除手順が明確に定められているかを確認します。また、リファレンス提供者の個人情報保護も、適切な管理体制が整っているかをチェックしなければいけません。
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リファレンスチェックツールの料金相場
リファレンスチェックツールの料金は、月額数千円から数万円までの幅があります。そのため、まずは自社のニーズに合った機能とコストパフォーマンスを考慮して選ぶことが重要です。多くのツールが無料トライアルを提供しているので、実際に使用してみて、自社とマッチするツールを選択しましょう。
リファレンスチェックツールの選び方
リファレンスチェックツールを選ぶ際には、ここで紹介するポイントを考慮することが重要です。それぞれの項目を詳しく説明します。
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なりすまし防止
リファレンスチェックでは、なりすましへの十分な対策が必要です。本人や親しい友人が、第三者になりすましてリファレンスチェックを受けることが考えられる場合は、なりすまし防止機能の有無を確認しましょう。本人確認書類や名刺でインタビュー対象者の身元を確認することができるツールもあります。
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バックグラウンドチェック
リファレンスチェックでは、応募者の前職での実績や勤務状況を確認します。一方、バックグラウンドチェックでは、応募者の犯罪歴やコンプライアンス違反を調査し、採用事故リスクを軽減します。リファレンスチェックツールには、バックグラウンドチェックが含まれている製品もあります。候補者について知りたい情報の範囲を明確にし、バックグラウンドチェック機能が必要であるかどうかを検討しましょう。
3
採用管理ツールとの連携
採用管理ツールとリファレンスチェックツールを連携すると、候補者の基本情報や選考状況のデータをシステム間で自動的に共有できます。例えば、採用管理ツールに登録した候補者情報が自動的にリファレンスチェックツールに反映され、リファレンスチェックの結果も採用管理ツール上で一元的に確認できるようになります。これにより、二重入力の手間が省け、選考プロセス全体を効率的に管理できます。
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リファレンスチェックツール選びに迷った場合は?
リファレンスチェックツールを導入することで、オンラインでの評価収集や、データの自動集計、分析レポートの作成など、従来は人手で行われていた作業を自動化できます。また、収集した情報を一元管理できるため、採用判断の根拠を明確に記録し、採用プロセスの透明性向上にもつながります。 ただし、製品によって備わっている機能やサービスの幅は異なります。ただ単に導入すればいいという話ではなく、導入目的や効果を考慮して選ぶことが大切です。 もし、自社に最適な製品がわからない場合や、リファレンスチェックツール選びに迷った場合は、「FitGap」をご利用ください。FitGapは、自社にぴったりの製品を選ぶための無料診断サービスです。簡単な質問に答えていくだけで、自社に必要なシステム要件が整理でき、各製品の料金や強み、注意点、市場シェアなどを知ることができます。 自社に最適なリファレンスチェックツールを選ぶためにぜひご利用ください。
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