安否確認システム(シェア上位)
安否確認システムとは?
更新:2024年10月30日
監修
ITコンサルタント
堀口健二
安否確認システムとは、災害発生時に全社員の安否状況を一斉に確認し、回答を自動集計できるシステムです。災害発生時には、設定された条件(地震の震度など)で自動的にメールやSMSが社員に送信され、安否状況の報告を求めます。 社員からの回答は自動的に集計され、未回答者の把握や被災地域の社員の優先確認など、状況に応じた柔軟な対応が可能です。また、定期的な訓練にも活用でき、緊急時に確実に機能する体制を整えられます。
安否確認業務に関連する課題
安否確認業務に課題を感じている企業や組織は多いです。ここでは、多くの企業が抱える安否確認業務に関する課題をピックアップして紹介します。
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初動対応が遅れる
災害発生時には、従業員の安否確認を電話や個別のメールで行う必要があります。しかし、特に夜間や休日には、確認作業の開始が遅れることで、早急な初動対応が難しいことがあります。
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確認作業に時間がかかる
担当者は1人1人に連絡を取り、返信を管理し、未返信者には再度連絡を行う必要があるため、手作業での確認作業には手間と時間がかかります。さらに、出張や出向、海外赴任、昨今では在宅勤務、リモートワークといった多様な勤務地が想定されるため、安否確認は複雑さを増しています。
3
情報集約が難しい
従来の電話連絡網による安否確認では、部署や拠点ごとに連絡が一巡するまで全体の状況を把握できません。そのため、刻一刻と変化する災害時の状況をリアルタイムで把握できず、対策本部での意思決定や、経営層への報告に必要な情報を迅速に収集することが困難です。
4
二次災害への対応が遅れる
従業員の位置情報や周辺の被災状況を即座に把握できないため、二次災害の危険性がある地域にいる従業員への警告や避難指示が遅れる可能性があります。
5
訓練の負担が大きい
安否確認訓練の実施には、全社員が一定の時間を割く必要があり、業務への影響が大きくなります。また、従来のメールや電話での訓練では、回答状況の集計や所要時間の測定などを手作業で行う必要があり、結果の分析や課題の抽出に多大な労力がかかります。
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安否確認システムの機能
続いて、安否確認システムの基本機能と発展機能を整理して紹介します。
1
安否確認システムの基本機能
・一斉メール配信 地震発生時などの条件設定による自動配信や、手動での一斉配信により、全社員に安否確認メールを送信できる ・回答状況の自動集計 社員からの安否報告をリアルタイムで集計し、回答率や未回答者の一覧を自動作成する ・集計結果の可視化 部署別や拠点別の回答状況をグラフやチャートで表示し、全体状況を把握しやすくする ・社員情報の一元管理 社員の連絡先や所属部署、勤務地などの情報を一元管理し、常に最新の状態を維持できる
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安否確認システムの発展機能
・複数通知手段の利用 メール・SMS・音声通話など、複数の連絡手段を組み合わせることで、確実な安否確認を実現する ・位置情報の収集 スマートフォンのGPS機能を利用して、社員の現在地情報を収集し、被災地域との照合を行う ・安否情報の詳細収集 怪我の有無・出社可否・家族の状況など、詳細な状況報告を収集できる ・位置情報取得 ユーザーの現在地をGPSで取得し、正確な安否情報を提供する ・災害情報との連携 気象庁や自治体が発信する災害情報と連携し、被災地域の社員を優先的に確認できる
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安否確認システムの導入メリット
上記で紹介した機能を踏まえ、安否確認システムを導入することで得られる具体的なメリットを紹介します。
迅速に安否確認と状況把握ができる
災害発生時に全社員へ一斉に安否確認メールを送信し、数分で回答集計を開始できます。そのため、従来の電話連絡網では数時間かかっていた確認作業が、1時間程度で完了できるようになります。また、地震の震度など、設定した条件で自動的に安否確認を開始できるため、夜間や休日でも迅速な対応が可能です。
担当者の業務負担を軽減できる
安否確認メールの送信や回答の集計が自動で行われるため、総務担当者の作業負担を大幅に削減できます。特に、1,000人規模の企業では、従来3~4人で行っていた確認作業を1人で対応できるようになります。また、社員情報の更新も人事システムと連携することで、メンテナンス作業を最小限に抑えられます。
確実に安否情報を収集できる
メールやSMS、音声通話など、複数の連絡手段を組み合わせることで、確実に社員へ連絡が届く仕組みを構築できます。特にスマホアプリを利用すれば、通信障害時でもWi-Fiなどの別の通信手段で回答できます。また、回答フォーマットが統一されているため、正確な情報収集が可能です。
訓練の効率化と実効性向上を図れる
定期的な訓練をシステムで自動実施でき、訓練結果の分析レポートも自動作成されます。具体的には、回答率や平均回答時間、未回答者の傾向など、詳細なデータに基づいて課題を抽出できます。さらに、訓練の実施履歴が自動的に記録されるため、監査対応にも活用できます。
安否確認システムを導入する際の注意点
安否確認システムの導入にはさまざまなメリットがある一方で、しっかりと事前に確認しないといけないこともあります。
複数の通信手段を確保する
災害時は通信障害が発生する可能性が高いため、複数の連絡手段を確保することが重要です。メールが使えない場合に備えて、SMSや音声通話を併用する、通信キャリアが異なる複数の回線を用意するなど、バックアップ手段を確保する必要があります。また、社員のスマホやPCの利用環境を事前に確認し、全員が最低1つの手段で回答できる体制を整えることが重要です。
運用ルールを明確化する
災害の種類や規模に応じて、システムを起動する基準を明確に定める必要があります。震度5弱以上の地震発生時、気象警報発令時など、具体的な発動条件を設定し、担当者が迷わず対応できるようにします。また、夜間・休日の対応者や代理対応者も明確に決めておき、いつ災害が発生しても確実に初動対応ができる体制を整えましょう。
個人情報を適切に管理する
社員の連絡先や住所などの個人情報を適切に管理する仕組みが必要です。特に、システム管理者の異動時のアカウント管理や、退職者情報の削除手順を明確にしておく必要があります。また、外部委託先や派遣社員の情報も、契約期間に応じた適切なデータ管理ができる仕組みを確認しておくことが重要です。
定期的な情報更新の仕組みを整える
人事異動や連絡先変更などの情報を確実に反映する仕組みが必要です。人事システムと連携して自動更新する、毎月の締め日に一括更新するなど、具体的な更新手順を決めておく必要があります。また、社員が自身の連絡先を直接更新できる機能があると、より正確な情報管理が可能になります。
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安否確認システムの料金相場
安否確認システムの料金は、利用する社員数に応じて設定され、一般的に1ユーザーあたり月額100円前後が基本料金の目安となります。SMS送信や音声通話など、追加の通知手段を利用する場合は、送信回数に応じた従量課金が発生することがあります。
安否確認システムの選び方
安否確認システムを選ぶ際には、企業や組織の特性に応じた適切なシステムを選ぶことが重要です。ここでは、システム選定で考慮すべきポイントを詳しく説明します。
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勤務形態
社員の働き方に合わせたシステム選びが重要です。外勤やリモートワークが多い企業では、自宅PCやスマホからの回答に対応することに加えて、現在地情報を送信できる機能が重要になります。
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通信手段
災害時の通信障害に備えて、複数の連絡手段をカバーできるシステムを選ぶことが重要です。メールやSMS、音声通話など、利用可能な通信手段が多いシステムでは、携帯電話網が混雑した場合でもインターネット回線を使用するなど、状況に応じた代替手段を確保できます。さらに、プッシュ通知機能付きのスマホアプリを提供しているシステムであれば、より確実な通知が可能です。
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災害情報との連携
気象庁や防災機関からの災害情報を自動取得し、安否確認開始の判断材料として活用できるかを確認することが重要です。地震の場合は、震度5弱以上で自動配信、津波警報発令時に特定地域のみに配信など、自社の基準に合わせた柔軟な設定が可能かどうかがポイントです。また、災害情報と連動した対象者の自動抽出など、初動対応の自動化レベルも確認が必要です。
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業種
一般企業向けの標準的なシステムか、特定業種に特化したシステムかを見極めることが重要です。例えば、地方自治体向けのシステムには、住民データベースとの連携や、避難所情報の管理機能が必要です。また、教育機関向けには、保護者への一斉連絡機能や、児童生徒の在校確認機能が搭載されているシステムを選ぶ必要があります。
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運用支援体制
システムの導入支援から運用定着までのサポート体制を確認することが重要です。導入時の社員情報の一括登録支援や、運用ルール策定のアドバイス、定期的な訓練の実施支援など、具体的なサポート内容を確認しましょう。また、災害発生時の24時間サポート体制や、システムトラブル時の代替手段の提供有無も重要な選定ポイントとなります。
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安否確認システム選びに迷った場合は?
安否確認システムを導入することで、迅速な安否確認と状況把握が可能になり、確実に安否情報を収集できます。ただし、製品によって備わっている機能やサービスの幅は異なります。ただ単に導入すればいいという話ではなく、導入目的や効果を考慮して選ぶことが大切です。 もし、自社に最適な製品がわからない場合や、安否確認システム選びに迷った場合は、「FitGap」をご利用ください。FitGapは、自社にぴったりの製品を選ぶための無料診断サービスです。簡単な質問に答えていくだけで、自社に必要なシステム要件が整理でき、各製品の料金や強み、注意点、市場シェアなどを知ることができます。 自社に最適な安否確認システムを選ぶためにぜひご利用ください。
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