名刺管理ソフト(シェア上位)
名刺管理ソフトとは?
更新:2024年10月30日
監修
ITコンサルタント
堀口健二
名刺管理ソフトとは、紙の名刺をデータ化し、企業内で共有・活用できるようにするツールです。名刺情報の一元管理と、効率的な顧客管理を実現します。 OCR技術による名刺情報の自動読み取りや、クラウドでのデータ共有などの機能が備わっており、スキャンした名刺からテキストデータを自動で抽出し、オンライン上で保管・共有できます。また、営業支援システム(SFA)や、顧客管理システム(CRM)と連携することで、より包括的な顧客情報の管理が可能になります。 名刺管理ソフトの活用により、名刺情報の紛失や劣化を防ぎ、必要な時に必要な人脈情報にすぐにアクセスできます。さらに、人事異動や退職時の引き継ぎもスムーズになり、ビジネス上の重要な関係性を組織として維持できます。
名刺管理業務に関する課題
名刺管理に課題を感じている企業や組織は多いです。ここでは、多くの企業が抱える名刺管理業務に関する課題をピックアップして紹介します。
1
名刺情報が散在化・属人化する
個人が保管する紙の名刺や各自のExcelファイルなど、名刺情報が社内で分散して保管されがちです。同一取引先の担当者情報が、複数の部署で重複して保管されてしまい、最新情報を素早く特定できません。
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データ入力に手間がかかる
新しく受け取った名刺情報を手作業でデータ化するには、時間と手間がかかります。手入力によるミスや表記揺れが発生すると、データの正確性と一貫性を保てません。
3
情報更新が遅れる
取引先担当者の異動や連絡先の変更など、名刺情報を随時変更する仕組みが整っていないことが多いです。また、更新されていても情報が関係者間で共有できないと、古い情報をもとにして対応を続けてしまうリスクもあります。
4
紛失リスクがある
紙の名刺の保管には、紛失や劣化のリスクがあります。また、社員の退職時に名刺情報の引き継ぎが不十分な場合は、組織全体としての人脈が失われることがあります。
5
データを活用できない
紙の名刺では、顧客管理システム(CRM)や営業支援システム(SFA)とのデータ連携ができないため、データを営業戦略やマーケティングに活用することが難しいです。
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名刺管理ソフトの機能
上記の課題を解決するために、名刺管理ソフトにはさまざまな機能が備わっています。ここでは、名刺管理ソフトの基本機能と、特定の名刺管理ソフトに付属している機能を整理して紹介します。
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名刺管理ソフトの基本機能
・名刺情報の読み取り(OCR) スマートフォンのカメラやスキャナーで撮影した名刺から、文字情報を自動で抽出し、データ化する ・名刺データの保管・共有 システム上に名刺データを保存し、社内メンバーが必要に応じていつでも簡単にアクセスできる ・グループ分類 部署やプロジェクト、取引状況などで名刺データを分類・整理する
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特定の名刺管理ソフトに付属している機能
・重複チェック 同一人物の可能性がある名刺が登録されると自動で検知する ・外部システム連携 営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)と連携し、顧客データを統合的に管理する ・SNS連携 LinkedInやFacebookといったSNSと連携し、名刺交換した相手のプロフィールをすぐに確認できる
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名刺管理ソフトの導入メリット
上記で紹介した機能を踏まえ、名刺管理ソフトを導入することで得られる具体的なメリットを紹介します。
名刺情報を一元管理できる
名刺管理ソフトでは、営業担当者が持ち帰った名刺を、その日のうちにスマホで撮影するだけで、データ化と共有が完了します。取引先の連絡先を探す際も、机の引き出しや名刺ファイルを探し回る必要がなく、システム上で簡単に検索できます。出張や在宅勤務でも、すぐに名刺情報を確認できます。
顧客情報を簡単に社内で共有できる
名刺管理ソフトを利用すれば、社内の人脈を組織全体の人脈として活用できます。例えば、取引実績のある営業部門と製造部門で情報を連携することで、一貫性のある提案が可能になります。また、役員や事業部長などの幹部が保有する人脈情報も、適切なアクセス権限設定のもとで共有できるようになれば、営業の幅を広げられます。取引先の組織改編情報なども、気づいた社員が更新することで、最新の情報を組織全体で把握できます。
顧客接点を可視化できる
過去1年間で誰がどの取引先と何回接点を持ったのか、名刺管理ソフトのデータと商談履歴を合わせて分析することで、営業活動の強化ポイントが明確になります。名刺管理ソフト上に名刺交換した時期や場所の記録が残っているため、曖昧な記憶を頼りにするのではなく、具体的な日時や場所を示して会話できます。
名刺情報の劣化・紛失を防止できる
名刺管理ソフトで情報を管理すれば、カビや水濡れで名刺が読めなくなる、机の整理時に誤って廃棄してしまうといったトラブルがなくなります。名刺の劣化や紛失に気づいた時にはすでに手遅れで、取引先に再度名刺を依頼するのも気が引けるという状況も解消できます。取引先の重要な連絡先情報をデータ化して保管しておくことは、災害時の事業継続対策としても有効です。
名刺管理ソフトを導入する際の注意点
名刺管理ソフトの導入にはメリットがある一方で、しっかりと事前に確認しないといけない注意点もあります。
運用ルールを明確にする
名刺管理ソフトを利用する場合は、「社員が受け取った名刺は24時間以内にスキャンする」などの運用ルールが必要です。英文社名やデザイン性の高い名刺の場合は、データ化の精度が低い可能性があるため、スキャン後の目視確認を必須とする運用も必要でしょう。また、紙の名刺を破棄するか保管するかの方針も決めておき、破棄する場合は、スキャンの精度確認が完了してから行うように徹底する必要があります。
アクセス権限の設定を徹底する
役員の人脈情報など、名刺管理ソフト上でアクセスを制限したい名刺データは、閲覧可能な範囲を適切に設定する必要があります。取引先との守秘義務契約がある場合は、特に注意が必要です。部署異動や退職時には、保有していた名刺データへのアクセス権限を速やかに変更できる仕組みがあると便利です。
社内システムとの連携を考慮する
営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)で管理している顧客情報と、名刺管理ソフトのデータを別々に更新する手間を避けるため、システム間連携は事前に確認しておきましょう。連携によって重複作業を減らせる一方で、システムごとに異なる項目定義がある場合は、システムごとの個別対応が必要となるため、事前に洗い出しておくことをおすすめします。
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名刺管理ソフトの料金相場
名刺管理ソフトの利用料金は、システムを利用するユーザー数や登録する名刺の枚数に加えて、利用できる機能の範囲によっても異なります。個人利用や小規模な利用であれば、基本的な名刺のデータ化と管理機能に限定した無料のプランもあります。多くの場合は、月額または年額での契約となり、企業の規模や利用目的に応じて最適なプランを選択できます。
名刺管理ソフトの選び方
名刺管理ソフトの選び方は、ビジネスのニーズや使用目的によって異なります。以下に、名刺管理ソフトを選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく説明します。
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利用者
フリーランスや個人事業主のように単独で利用する場合は、シンプルな名刺管理機能に特化した安価なプランで十分です。一方、企業での利用では、部門内や部門間での名刺情報の共有が重要になるため、アクセス権限管理やグループ機能が必須となります。個人のキャリアアップでの利用なら、SNS連携や転職時にもデータを継続して利用できるかどうかも重要なポイントです。
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管理項目
名刺情報に加えて、いつ誰が面談したか、どんな商談が進行しているかなど、取引先とのコンタクト履歴を記録する機能が必要かを検討します。顧客との関係性を深めるために、個人の趣味や志向などの情報も記録したい場合は、カスタム項目の追加ができるシステムを選びましょう。特に、複数の担当者が同じ取引先と関わる場合は、担当者情報や対応履歴の共有機能が重要です。
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取り込みデータの範囲
展示会の参加者名簿や、業界団体の会員名簿など、紙の名簿からの一括取り込みが必要かを確認します。さらに、メール文末の署名欄や、問い合わせフォームから送られてくる顧客情報など、名刺以外の形で得られる連絡先情報の取り込みも、必要の有無を検討してください。名刺以外の情報源からの取り込みが必要な場合は、対応した機能を持つシステムを選択することで、より包括的な顧客管理が可能になります。
4
自動収集機能
取引先企業の業績情報や人事異動など、最新のニュースを自動で収集できる機能があるかを確認します。与信管理の観点から、企業の信用情報やリスク情報との連携機能が必要になるケースもあります。登録企業の新着情報をメールで受け取れる機能があれば、タイムリーな営業アプローチやリスク管理に活用できます。
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