IT資産管理ツール(シェア上位)
IT資産管理ツールとは?
更新:2024年10月30日
IT資産管理ツールとは、企業や組織が保有するハードウェアやソフトウェア、ライセンス、ネットワーク機器などのIT関連資産を一元管理するシステムです。PCやサーバーなどのハードウェア、業務アプリケーションなどのソフトウェア、さらにはクラウドサービスや通信回線のライセンスまで、幅広いIT資産の状況を効率的に把握・管理できます。 IT資産は、従来はExcel台帳などで管理されていましたが、近年では更新期限の自動通知や遠隔でのアップデート作業など、管理業務を大幅に効率化する機能を備えたツールの導入が進んでいます。また、多くのツールでは、コンピュータの操作ログやサーバーのアクセスログの取得、不正なデバイスの検知・遮断といったセキュリティ機能も統合されています。 IT資産の増加と管理の複雑化が進む中、IT資産管理ツールは効率的な資産運用と適切なリスク管理を実現する重要なソリューションとなっています。
IT資産管理に関する課題
IT資産管理に課題を感じている企業や組織は多いです。ここでは、多くの企業が抱えるIT資産管理に関する課題をピックアップして紹介します。
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資産情報が分散している
IT機器やソフトウェアの情報が複数の管理台帳に散在し、正確に把握できていない企業は多いです。特にテレワーク環境の拡大により、社外で利用される機器の状況把握が遅れがちで、セキュリティリスクも高まります。
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更新作業を効率的に行えない
OSやアプリケーションのアップデート、セキュリティパッチの適用を各端末で個別に行う必要があり、膨大な工数が発生します。また、更新忘れや適用漏れによるセキュリティ脆弱性のリスクも高まります。
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ソフトウェアの利用状況を把握できない
社内PCへのソフトウェアインストール状況や、許可されていないソフトウェアの利用を把握できていない状況も生まれています。また、ライセンス数の過不足を正確に管理できず、コンプライアンス違反やコストの無駄が発生しやすくなります。
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セキュリティ監視が難しい
社外デバイスの接続や不正なソフトウェアの利用といった危険な操作を、リアルタイムで検知・防止できません。また、情報漏洩防止のための操作ログの収集や分析も、手作業では現実的に不可能です。
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運用負担が大きい
資産の棚卸や利用状況の確認、ソフトウェアの一斉配布など、定期的に必要な作業に大きな工数が必要となります。また、突発的なトラブル対応や、急なセキュリティアップデートの適用にも、迅速な対応が難しくなります。
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IT資産管理ツールの機能
続いて、IT資産管理ツールの基本機能と、特定のツールに付属している機能を紹介します。
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IT資産管理ツールの基本機能
・インベントリ管理 企業内のハードウェアやソフトウェアを一覧で管理・追跡する ・ライセンス管理 ソフトウェアライセンスの使用状況を把握し、法令遵守を支援する ・自動検出 新しいデバイスやソフトウェアをネットワーク内で自動検出・登録する ・更新管理 ソフトウェアやファームウェアの更新を管理し、常に最新状態を維持する
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特定のIT資産管理ツールに付属している機能
・セキュリティパッチ管理 脆弱性修正のパッチ適用状況を管理し、セキュリティを強化する ・モバイルデバイス管理 スマートフォンやタブレットの設定・使用状況を遠隔で管理する ・遠隔操作 ユーザーのPCにリモートアクセスし、トラブルシューティングを行う ・コスト管理 IT資産の購入や保守コストを追跡し、予算管理を支援する ・予測分析 資産使用データを分析し、将来のニーズやトレンドを予測する
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IT資産管理ツールの導入メリット
IT資産管理ツールを導入することにより、不要なライセンスコストの削減や、ソフトウェアの更新管理の徹底、セキュリティ対策の強化、コンプライアンスの遵守など、多様なメリットが得られます。ここでは、IT資産管理ツールを導入する詳しいメリットを紹介します。
資産情報を可視化・一元管理できる
社内のIT機器やソフトウェア、ライセンスなどの情報をリアルタイムで把握できます。また、資産の利用状況や稼働状況を正確に把握できるため、適切な投資判断や予算配分にもつながります。
運用管理を自動化できる
OSやアプリケーションのアップデート、セキュリティパッチの適用を一括で実施できます。また、更新作業のスケジュール設定や実行状況の確認も自動化され、管理者の作業負担を大幅に軽減できます。
セキュリティを強化できる
すべてのIT資産を把握することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減し、脆弱性を早期発見できます。資産の持ち出しや使用履歴の追跡により、内部不正の防止にも役立ちます。
コストを削減できる
ソフトウェアライセンスの過不足を正確に把握し、余剰ライセンスの削減や不足の解消を図れます。また、IT資産の利用実態に基づいて、適切な更新時期や廃棄時期を判断できます。
コンプライアンスが強化される
ライセンス使用状況の自動チェックにより、ライセンス違反を未然に防止できます。また、定期的な棚卸作業や監査対応に必要な情報を、正確かつ迅速に提出することも可能です。
IT資産管理ツールを導入する際の注意点
IT資産管理ツールの導入にはさまざまなメリットがある一方で、気をつければならないポイントもあります。しっかりと注意点も確認しておきましょう。
目的とニーズを明確にする
IT資産管理ツールを導入する際は、まず組織の目的とニーズを明確にしましょう。例えば、ハードウェア資産の管理が目的であればシンプルな機能で十分ですが、セキュリティ面も考慮するのであれば、必要となる機能範囲が広くなります。現状の課題を洗い出し、解決できる機能を備えたツールを選定することが重要です。
既存の資産情報の移行を慎重に行う
現在の管理台帳やシステムから新ツールへのデータ移行作業には、相当な時間と労力が必要になります。特に古い資産情報や過去の利用履歴は、データの正確性を確認しながら、慎重に移行作業を進める必要があります。データ連携が備わっているツールや、データ移行サポートを提供している場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
管理対象を適切に選定する
すべてのIT資産を同じレベルで管理するのではなく、重要度や利用頻度に応じて管理レベルを設定することが重要です。過度に詳細な管理は運用負荷を増大させ、逆に重要資産の管理が不十分だと本来の導入効果が得られません。
従業員への周知と教育を徹底する
ツールの導入に伴い、資産の利用申請方法や更新手順が変更になることを従業員に理解してもらう必要があります。特にセキュリティ機能による制限は、必要性を含めて丁寧な説明を行うことが重要です。
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IT資産管理ツールの料金相場
IT資産管理ツールの料金は、利用人数や管理対象とするハードウェアの台数、機能で異なります。クラウド型は導入が容易で、オンプレミス型はセキュリティに優れます。ただし、サイト上で料金を公開していない製品も多くあります。そのため、無料トライアルを活用し、自社に合ったツールを見極めましょう。
IT資産管理ツールの選び方
IT資産管理ツールを選ぶ際には、企業のニーズに合ったツールを見極めることが重要です。最後に、選定時に考慮すべきポイントを詳しく説明します。
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導入目的
まずは、自社の導入目的に合った製品を選ぶようにしましょう。特に、ハードウェア管理・ソフトウェア管理・内部統制の強化・外敵からのセキュリティ対策の4つの項目は、多くの企業で重視されます。 ・ハードウェア管理 コンピュータ名や利用者名、IPアドレス、MACアドレス、OSのバージョンなどのハードウェア情報を管理します。これにより、無駄な機器の購入を防ぎ、適切なタイミングでの買い替えや更新が可能になります。資産の可視化を通じて、効率的なハードウェアの運用が実現できます。 ・ソフトウェア管理 ライセンス数や更新期限の管理を行い、不正利用を防ぎ、更新忘れによるセキュリティリスクを低減します。また、保有ライセンス数と実際のインストール数を管理し、ライセンスの過不足を防ぎます。複数のPCに対するアプリやプログラムの一括インストールも可能にし、効率的なソフトウェア展開を支援します。 ・内部統制の強化 内部統制を強化する機能を持つツールだと、誤操作や紛失による情報流出を防げます。企業内の情報セキュリティを向上させ、コンプライアンスの遵守につながります。 ・外敵からのセキュリティ対策 外部からの攻撃を防ぐためのセキュリティ機能が含まれている製品もあります。ただし、すでにセキュリティソフトを導入している場合は、機能が重複することがあるため、選定時には注意が必要です。
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企業規模
企業の規模に応じて、適切なIT資産管理ツールを選ぶ必要があります。小規模企業では、シンプルでコストを抑えたツールが適しています。一方で、大規模企業は、多数の端末や複雑なシステムを管理する必要があるため、より多機能でスケーラブルなツールが求められます。
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ハードウェアの管理対象
企業で使用するすべてのデバイスが管理可能かを確認することが重要です。PC(Mac・Windows)や、スマートフォン(Android・iPhone)、サーバーなど、管理対象となるハードウェアの種類を確認しましょう。
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便利機能
各製品に付属している便利機能にも着目して選ぶのもよいでしょう。特に、ログ取得やアクセス制限、リモートコントロールなどの機能は、トラブル発生時やセキュリティ向上の観点で重要な役割を果たします。 ・ログ取得 ユーザーの操作やシステムの動作を記録するログを取得し、収集します。不正行動の抑止や、トラブル発生時の原因解明に役立ち、セキュリティや運用の向上に貢献します。 ・アクセス制限 業務に不要なサイト、アプリの利用を制限し、利用可能なデバイスを制限することで、セキュリティの向上と業務効率の最適化を目指します。 ・リモートコントロール トラブルやメンテナンス時に、管理者がリモートで端末を操作できます。迅速な対応が可能となり、ダウンタイムを最小限に抑えられます。
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サポート体制
導入後に問題が発生した際、迅速に対応できるサポート体制があるかを確認しましょう。充実したサポート体制は、トラブルの早期解決に役立ちます。
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IT資産管理ツール選びに迷った場合は?
IT資産管理ツールを導入することで、資産情報を一元管理でき、セキュリティの強化やコンプライアンスの遵守などにつながります。ただし、製品によって備わっている機能やサービスの幅は異なります。ただ単に導入すればいいという話ではなく、導入目的や効果を考慮して選ぶことが大切です。 もし、自社に最適な製品がわからない場合や、IT資産管理ツール選びに迷った場合は、「FitGap」をご利用ください。FitGapは、自社にぴったりの製品を選ぶための無料診断サービスです。簡単な質問に答えていくだけで、自社に必要なシステム要件が整理でき、各製品の料金や強み、注意点、市場シェアなどを知ることができます。 自社に最適なIT資産管理ツールを選ぶためにぜひご利用ください。
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