TabRASA

素材開発AI

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TabRASAとは

TabRASAは、ナガセがIBMと共同開発した素材開発AI製品です。機械学習（アナリティクス）エンジンと自然言語処理（コグニティブ）エンジンという2つのアプローチにより、新素材探索を支援します。分析型エンジンでは化学構造と性能データから新素材の化学式を導出し、コグニティブエンジンでは文献や技術資料から有用な情報を抽出して材料候補を提案する仕組みとなっています。クラウド型SaaSとして提供されており、初期投資を抑えてノーコードで利用できるため、大手化学メーカーから中小企業まで幅広く導入しやすい特長があります。三洋化成工業での導入事例も報告されており、新素材開発における初期探索フェーズでの活用に適したソリューションです。

強み

AI解析×認知エンジンのハイブリッド

TabRASAは、AI機械学習による解析型エンジンとIBMのコグニティブエンジンを組み合わせた二重アプローチを採用しています。この仕組みにより、構造式候補抽出と文書検索を融合させ、既存データや文献から最適な素材を効率的に発見することを可能にしています。

SaaS型のクラウドサービス

TabRASAはSaaSプラットフォームとして提供されており、初期投資を必要とせずに利用を開始できます。複雑なセットアップ作業が不要で、導入後すぐにサービスを利用することが可能です。専門的な知識がなくても操作しやすい直感的なユーザーインターフェースを備えているため、幅広いユーザーにとって扱いやすい設計となっています。データはIBM Cloud上で管理され、セキュリティ面での配慮がなされています。コスト面では、必要な分だけを利用する従量制の料金体系により、無駄のない運用が期待できます。

商社ネットワークによる提供

TabRASAは、長年にわたり化学品販売で培ったネットワークを持つNAGASEにより提供されており、業界の知見を活かした体制でのサポートを受けることができます。商社が持つ幅広い顧客基盤を通じて、多様な業界のユーザーとの連携が可能となり、共同研究や実証実験を効率的に推進できる環境が整っています。このような商社ならではのネットワークを活用することで、単独では困難な取り組みも実現しやすくなると考えられます。

注意点

提供開始間もない新サービス

TabRASAは2020年11月に商用サービスを開始した材料探索プラットフォームで、実導入企業は徐々に増加しているものの、まだ市場での実績は十分に蓄積されていない状況です。長期的な運用事例やユーザーコミュニティから得られる知見も現時点では限定的であり、他の成熟したツールと比較すると、信頼性やノウハウの蓄積については今後の検証が必要な段階にあります。新しいサービスならではの課題として、導入を検討される際はこの点を考慮することが重要です。

エンジン間の連携は今後の課題

TabRASAはAI分析エンジンとコグニティブエンジンという2つのアプローチを備えていますが、当初はそれぞれが独立して提供される仕様となっており、両エンジンを連携させる機能については将来的な追加が予定されています。現時点では各エンジンの分析結果を統合的に活用することには制約があり、プラットフォーム全体としての完成度は発展段階にあると考えられます。導入を検討される際は、今後の機能拡充のロードマップを踏まえた運用計画を立てることが重要になるでしょう。

データ管理におけるクラウド依存

TabRASAはIBMクラウド上でユーザーデータを管理・分析するSaaSとして提供されているため、研究データを社外クラウドに預ける運用形態となります。自社内でのデータ保持を重視する企業では、心理的な抵抗感や情報管理面での懸念が生じる場合があります。導入前には、クラウドベースでの運用モデルについて組織内での十分な理解と合意形成を図ることが重要といえるでしょう。

カテゴリ別マーケットシェア

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