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2026-02-13

会議の録画・議事録が散在して同じ説明を繰り返す問題を解消し情報共有の工数を削減する方法

会議に参加できなかったメンバーや、途中からプロジェクトに加わったメンバーに対して、同じ内容を何度も個別に説明し直す。この繰り返しは、1回あたり15〜30分程度の小さなロスに見えますが、週に数回発生すれば月間で数時間から十数時間の工数が消えていきます。問題の根本は、会議の録画ファイル、議事録テキスト、関連資料がそれぞれ別の場所に保存されていて、あとから必要な情報にたどり着けないことにあります。

この記事は、従業員50〜300名規模の企業で、総務・情シス・チームリーダーなど会議運営や情報共有の仕組みづくりを担っている方を想定しています。読み終えると、会議の録画から議事録の自動生成、そしてナレッジとしての蓄積・検索までを一本の流れでつなぐ具体的なワークフローを手に入れることができます。大規模エンタープライズ向けの全社導入計画や、個別ツールの網羅的な機能比較は扱いません。

なお、本記事で紹介するツールの組み合わせは代表的な一例です。同じ役割を果たす別の製品でも、同様のワークフローを構築できます。

読み終えた時点で、会議後に録画・議事録・関連資料をセットで1か所に集約し、誰でもキーワード検索で必要な情報にたどり着ける運用フローを自チームで始められる状態になります。

Workflow at a glance: 会議の録画・議事録が散在して同じ説明を繰り返す問題を解消し情報共有の工数を削減する方法

なぜ会議の記録があるのに同じ説明を繰り返してしまうのか

録画・議事録・資料が3か所に散らばる構造的な問題

多くの組織では、会議の録画はWeb会議ツールのクラウドストレージに、議事録は個人のメモやチャットのスレッドに、関連資料はファイルサーバーやクラウドストレージに、とそれぞれ別の場所に保存されます。この3つが紐づいていないため、あとから情報を探す人は、まず録画がどこにあるか探し、次に議事録を探し、さらに資料を探すという3段階の手間を踏むことになります。結果として、探すより聞いたほうが早いという判断になり、説明の繰り返しが発生します。

議事録の品質と鮮度のばらつき

議事録を手動で作成している場合、担当者のスキルや忙しさによって品質と完成タイミングにばらつきが出ます。会議から2〜3日経ってようやく議事録が共有されるケースでは、その間に個別の説明依頼が発生します。また、手書きの議事録はどうしても要約者の解釈が入るため、決定事項やニュアンスが正確に伝わらないこともあります。

放置した場合のビジネスへの影響

説明の繰り返しは単なる時間のロスにとどまりません。情報伝達が遅れることで、意思決定のタイミングがずれ、タスクの着手が遅れます。さらに、口頭での伝言ゲームが重なると、情報の正確性が下がり、認識のずれからやり直しが発生するリスクも高まります。チームの規模が大きくなるほど、この問題は加速度的に深刻になります。

重要な考え方:会議の記録は作って終わりではなく検索できる場所に集約して初めて価値が出る

録画や議事録を作成すること自体は多くの組織で実践されています。しかし、それだけでは問題は解決しません。重要なのは、会議の記録を作成した直後に、誰でもアクセスできる1か所に、検索可能な形で集約するところまでをワンセットの運用にすることです。

検索可能にするとは何か

検索可能とは、会議名や日付だけでなく、会議中に話された具体的なキーワードで録画の該当箇所や議事録の該当部分にたどり着けることを意味します。たとえば、来期の予算配分について話した会議を探したいとき、予算配分と検索するだけで該当する議事録と録画のタイムスタンプが見つかる状態です。これを実現するには、音声をテキスト化して全文検索の対象にする仕組みが必要です。

集約先は1か所に絞る

録画はこっち、議事録はあっち、という状態を許容すると、結局どこを見ればいいか分からないという問題が再発します。集約先は1つのナレッジベースに絞り、すべての会議記録はここを見ればよいというルールを組織内で徹底することが成功の鍵です。

会議後10分で録画・議事録・資料をセットで蓄積する実践ワークフロー

このワークフローは、会議の主催者またはチームリーダーが中心となり、会議終了後10分以内に情報の集約を完了させることを目指します。週次の定例会議や重要なプロジェクト会議など、繰り返し参照される可能性が高い会議から適用を始めるのがおすすめです。

ステップ 1:会議を録画し自動で文字起こしを開始する(Zoom)

会議はZoomで実施し、録画機能をオンにします。Zoomのクラウド録画を有効にしておくと、会議終了後に自動で録画ファイルがクラウドに保存されます。ここでのポイントは、録画の開始を忘れないようにすることです。Zoomの設定で自動録画をオンにしておけば、会議開始と同時に録画が始まるため、人為的なミスを防げます。録画データはZoomのクラウド上に一時的に保存されますが、最終的な保管場所はステップ3のナレッジベースになります。

ステップ 2:AIで議事録を自動生成し決定事項とタスクを整理する(tl;dv)

tl;dvはZoomと連携して動作する議事録作成ツールです。会議に参加させておくと、録画の音声からリアルタイムで文字起こしを行い、会議終了後にAIが要約・決定事項・アクションアイテムを自動で整理した議事録を生成します。日本語の音声認識にも対応しており、手動で議事録を作成する工数をほぼゼロにできます。生成された議事録は、会議終了から数分以内にtl;dvの画面上で確認できます。ここで主催者が行うのは、自動生成された議事録の内容をざっと確認し、明らかな誤りや補足があれば修正する作業です。所要時間は5分程度です。また、tl;dvでは録画の特定の箇所にタイムスタンプ付きのハイライトを残せるため、重要な発言や決定の瞬間をマークしておくと、あとから参照する人が該当箇所にすぐジャンプできます。

ステップ 3:議事録と録画リンクをナレッジベースに集約し検索可能にする(Notion)

tl;dvで生成された議事録と録画リンクを、Notionのデータベースに登録します。tl;dvにはNotionとの連携機能があり、議事録の内容をNotionのページとして自動で送信できます。Notionのデータベースには、会議名、日付、参加者、プロジェクト名、タグといったプロパティを設定しておきます。議事録のテキストはNotionのページ本文に入るため、Notionの検索機能でキーワード検索が可能になります。録画へのリンクもページ内に埋め込んでおけば、議事録を読んで詳細を確認したいときにワンクリックで録画の該当箇所に飛べます。関連資料がある場合は、同じNotionページにファイルを添付するか、ファイルの保存先リンクを貼っておきます。これにより、1つの会議に関するすべての情報が1つのNotionページに集まります。チームメンバーには、過去の会議について知りたいことがあればまずNotionを検索するというルールを周知します。

この組み合わせが機能する理由

Zoom:録画の自動化で記録漏れをゼロにする

Zoomを選定した理由は、日本企業での導入率が高く、多くの組織ですでに利用されている可能性が高いためです。自動録画機能により、録画の開始忘れという最も多い失敗を防げます。クラウド録画はプランによって保存容量に上限があるため、長期保存はNotionや別のストレージに移す運用が必要です。また、Zoomの録画URLは共有設定を適切に行わないと社外からアクセスできてしまうリスクがあるため、パスワード保護や社内ユーザー限定の設定を必ず確認してください。

tl;dv:議事録作成の工数をほぼゼロにしつつ品質を安定させる

tl;dvの強みは、ZoomやGoogle Meetとの連携が簡単で、導入のハードルが低い点です。AIによる自動要約は、手動の議事録と比べて作成時間を大幅に短縮し、担当者による品質のばらつきもなくなります。一方で、日本語の音声認識精度は話者の滑舌や専門用語の多さによって変動します。社内独自の略語や製品コードなどは誤認識されやすいため、ステップ2での確認・修正作業は省略しないでください。無料プランでは録画本数や機能に制限があるため、チーム全体で本格運用する場合は有料プランへの移行を見込んでおく必要があります。

Notion:全文検索とデータベース機能で情報を見つけやすくする

Notionをナレッジベースとして選定した理由は、データベース機能とページ内の全文検索を組み合わせることで、日付・プロジェクト・キーワードなど複数の切り口から会議記録を探せる点にあります。tl;dvとの連携により、議事録の転記作業も自動化できます。注意点として、Notionはページ数が増えると検索結果の表示に時間がかかる場合があります。タグやプロパティを適切に設計し、フィルタリングで絞り込める構造にしておくことが重要です。また、Notionのアクセス権限はワークスペース単位で管理されるため、機密性の高い会議の記録を扱う場合は、ページ単位のアクセス制限を設定してください。

Recommended tool list

ToolRolePricingImplementation timeNotes
ZoomWeb会議と録画の自動化無料枠あり即日(既存アカウントがある場合)自動録画機能はクラウド録画対応プラン(有料)で利用可能。既にZoomを導入済みの組織はプランの確認のみで開始できる。
tl;dvAI議事録の自動生成と録画ハイライト無料枠あり30分〜1時間ZoomまたはGoogle Meetとの連携設定が必要。無料プランでは録画本数に制限があるため、本格運用時は有料プランを検討する。
Notion会議記録の一元管理と全文検索無料枠あり1〜2時間(データベーステンプレート作成含む)会議記録用のデータベーステンプレートを事前に作成しておく。tl;dvとの連携設定でNotionへの自動送信を有効にする。

結論:会議記録は作成と集約をセットで自動化し検索できる1か所に置くことで初めて再利用される

会議の録画や議事録が活用されない原因は、記録を作ること自体ではなく、作った記録が散在して見つけられないことにあります。Zoomで自動録画し、tl;dvでAI議事録を生成し、Notionに集約するという3ステップのワークフローを回すことで、会議後10分以内に検索可能な会議記録が完成します。

まずは週次の定例会議1つからこのワークフローを試してください。tl;dvの無料プランとNotionの無料プランで始められるため、コストをかけずに効果を検証できます。2〜3週間運用して、同じ説明を繰り返す回数が減ったかどうかを確認し、効果が実感できたら対象の会議を順次広げていくのがおすすめです。

Mentioned apps: tl;dv, Notion, Zoom

Related categories: Web会議システム, ナレッジマネジメントツール, 議事録作成AI

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