WISE VISION

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WISE VISIONとは

WISE VISIONは、日本電気株式会社が提供する大腸内視鏡検査用のAI診断支援ソフトウェアです。主要3社の内視鏡装置に対応しており、検査映像中の疑わしい病変候補をリアルタイムで自動的にマーキングする機能を備えています。システムは音声アラートとマーカー表示により医師に注意を促すことで、ポリープの見逃し低減をサポートします。主に大腸がんの早期発見を目指す大学病院や総合病院の内視鏡部門での活用を想定した医療AI製品となっています。内視鏡検査の精度向上と効率化に貢献することが期待される診断支援システムです。

強み

既存内視鏡に後付け可能な検出AI

内視鏡メーカーを問わず、既存の内視鏡システムに接続して利用できるポリープ検出AIソフトウェアです。追加の内視鏡機器を買い替える必要がなく、小型ユニットをモニター経由で接続するだけで使用を開始できます。複数の検査室間で機器を移動させて使用することも可能であり、施設の運用状況に合わせて柔軟に導入できる点が特長となっています。導入コストを抑えながら、AI支援による内視鏡検査の質の向上が期待できます。

高い視認性とカスタマイズ性のあるUI

AIが病変を検知すると、通知音と円形マーカーによって位置を直感的に示すため、医師は見落としていた箇所にも即座に注意を向けることができます。アラート音声の有無やマーカーの色といった表示方法は、使用者の好みに合わせて設定可能であり、ストレスなく検査に集中できる環境を提供します。誰にでも使いやすいインターフェースを採用し、現場での使いやすさを重視した設計となっています。

大量データで学習した高精度検出能力

WISE VISIONは、国立がん研究センターが保有する1万件以上の病変画像、静止画・動画合わせて25万枚を用いた深層学習により開発されました。典型的な病変のみならず、平坦型や陥凹型といった非典型的な病変にも対応できる検出精度を備えています。医師による見落としが約24%報告されているという課題に対し、熟練医に相当する検出性能を発揮することで、早期大腸がんの見逃し削減に貢献することが期待されます。

注意点

幅広い互換性も専用機器が必要

WISE VISIONはマルチベンダー対応ですが、AI処理用の専用端末やモニターの設置が必要となります。既存の機器に直接組み込むことができないため、導入時には別途機器を用意する初期準備が求められます。また、運用開始後も専用機器の管理や保守といった手間が発生する点に留意が必要です。既存システムとの統合を検討される際は、これらの追加的な機器導入や運用管理のコストについても事前に確認されることをお勧めします。

病変検出のみ対応

WISE VISIONは病変候補を検出する機能に特化した製品です。良性か悪性かを判別する機能や、具体的な治療方針を提案する機能は搭載されていません。あくまで診断全般をカバーするものではなく、医師の診断業務を補助する役割として位置づけられています。実際の診断や治療方針の決定においては、医師による総合的な判断が必要となります。