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2026-02-13

会員向けイベントの申込から参加実績までを一元管理しエンゲージメント把握とフォローアップを実現する方法

会員向けのセミナーや勉強会、交流会などのイベントを定期的に開催している組織では、申込受付はGoogleフォーム、参加者名簿はExcel、当日の受付は紙のチェックリスト、事後の参加記録はまた別のファイル、という具合にツールや媒体がバラバラになりがちです。この状態では、ある会員が過去にどのイベントへ参加したのか、最近の参加頻度はどうかといった情報を横断的に確認できません。結果として、休眠会員への声かけや、参加傾向に基づいた次回イベントの企画判断ができないまま、場当たり的な運営が続いてしまいます。

この記事は、従業員50〜300名規模の企業や団体で、会員向けイベントの運営を兼務している総務・企画担当者やコミュニティマネージャーを想定しています。読み終えると、イベントの申込受付から当日の出欠確認、参加実績の会員データベースへの蓄積までを、手作業の転記なしにつなげるワークフローを自分の組織に導入できるようになります。大規模カンファレンスの運営設計や、数万人規模の会員基盤を持つエンタープライズ向けの全社導入計画は扱いません。

なお、本記事で紹介するツールの組み合わせは代表的な一例です。同じ役割を果たす別の製品でも、同様のワークフローを構築できます。

読み終えた時点で、申込・受付・参加実績が会員単位で自動的に紐づく3ステップのワークフローと、それを実現するツール構成の設計図が手に入ります。

Workflow at a glance: 会員向けイベントの申込から参加実績までを一元管理しエンゲージメント把握とフォローアップを実現する方法

なぜ会員のイベント参加履歴がバラバラになるのか

申込・受付・記録がそれぞれ独立したツールで完結している

多くの組織では、イベントの申込受付にはGoogleフォームやメール、当日の受付には紙の名簿やExcel、事後の参加記録には別のスプレッドシートや報告書を使っています。それぞれのツールは単体では十分に機能しますが、ツール間でデータが自動的に流れる仕組みがありません。そのため、申込者リストと実際の出席者リストを突き合わせる作業が毎回発生し、担当者が手作業で転記しています。

会員IDという共通キーが存在しない

申込フォームではメールアドレス、受付名簿では氏名、会員データベースでは会員番号と、それぞれ異なる識別子で人を管理しているケースが非常に多いです。同一人物であっても、名前の表記ゆれやメールアドレスの変更があると、別人として扱われてしまいます。この共通キーの不在が、データ統合を困難にしている根本原因です。

蓄積されないデータは意思決定に使えない

参加実績が会員単位で蓄積されていないと、どの会員がアクティブで、どの会員が離れつつあるのかが見えません。次回イベントの案内を全員に一律で送るしかなく、参加頻度の高い会員への優先案内や、しばらく参加のない会員への個別フォローといった施策が打てません。イベント運営の質を上げるには、まず過去の参加データが一箇所に集まっている必要があります。

重要な考え方:申込時点で会員IDを紐づけ、以降のデータを自動で流す

この課題を解決する鍵は、イベントの申込が発生した瞬間に会員IDと紐づけ、その後の受付確認や参加実績の記録を人手を介さずに自動で会員データベースへ反映させることです。

入口で紐づければ後工程は自動化できる

データの分断が起きる最大のポイントは、申込の入口です。ここで会員IDとイベント申込情報が結びつけば、当日の受付チェックも、事後の参加実績記録も、すべて会員IDをキーにして自動的に処理できます。逆に、入口で紐づけを怠ると、後工程でどれだけ頑張っても手作業の突き合わせが残ります。

ツール間の接続はシンプルに保つ

ツールを3つも4つも複雑に連携させると、どこかが壊れたときに原因の特定が難しくなります。理想は、イベント管理ツールとCRMツールの2つを中心に据え、その間をシンプルな連携で結ぶ構成です。受付についてはイベント管理ツールの機能で対応できれば、別途専用システムを導入する必要はありません。

申込から参加実績の蓄積までをつなぐ3ステップ

ステップ 1:イベントを作成し申込フォームを公開する(EventRegist)

イベント管理ツールであるEventRegistでイベントページを作成します。EventRegistは日本国内のイベント管理に広く使われており、申込フォームの作成、参加者管理、QRコード発行までを一つのツールで完結できます。

イベント作成時に、申込フォームのカスタム項目として会員番号の入力欄を追加してください。これが後工程でCRMと紐づけるための共通キーになります。会員番号がわからない参加者にはメールアドレスを代替キーとして使います。

申込フォームのURLは、会員向けのメール配信やWebサイトに掲載して告知します。申込が入ると、EventRegist上に参加者リストが自動で作成され、各参加者にはQRコード付きの受付票がメールで届きます。

担当者の作業は、イベントページの作成と会員番号フィールドの追加のみです。申込が入るたびにリストを手動で更新する必要はありません。

ステップ 2:当日の受付でQRコードをスキャンし出欠を記録する(EventRegist)

イベント当日は、EventRegistのスマートフォンアプリまたはタブレットを使い、参加者が提示するQRコードをスキャンして受付を行います。スキャンした瞬間に、EventRegist上の参加者リストに出席フラグが自動で立ちます。

紙の名簿にチェックを入れる方式と異なり、受付データがリアルタイムでデジタル化されるため、後から手入力する工程が完全になくなります。受付スタッフが複数いても、同じイベントの参加者リストを共有できるので、二重受付の心配もありません。

QRコードを忘れた参加者には、氏名またはメールアドレスでEventRegist上を検索し、手動でチェックインすることも可能です。

イベント終了後、EventRegistから参加者リストをCSV形式でエクスポートします。このCSVには、申込情報、会員番号、出欠ステータスがすべて含まれています。

ステップ 3:参加実績をCRMに取り込み会員ごとの履歴を蓄積する(HubSpot)

EventRegistからエクスポートしたCSVを、CRMツールであるHubSpotにインポートします。HubSpotは無料枠でもコンタクト管理とカスタムプロパティの設定が可能で、会員データベースとして十分に機能します。

HubSpot側では、事前に以下の準備をしておきます。コンタクトのカスタムプロパティとして、会員番号フィールドを作成します。また、イベント参加履歴を記録するためのカスタムプロパティ(例:最終参加イベント名、累計参加回数、最終参加日)を作成します。

CSVインポート時に、会員番号またはメールアドレスをキーにして既存のコンタクトとマッチングさせます。HubSpotのインポート機能は、既存レコードとの重複チェックを自動で行い、一致するレコードがあれば情報を上書き・追記します。新規の参加者は新しいコンタクトとして自動作成されます。

インポート後、HubSpotのリスト機能を使って、直近3回のイベントに1回も参加していない会員や、毎回参加しているアクティブ会員などのセグメントを作成できます。このセグメントに基づいて、次回イベントの優先案内や、休眠会員へのフォローアップメールを送ることが可能になります。

この作業はイベント終了後1〜2営業日以内に行うことを推奨します。担当者の所要時間は、CSVの確認とインポートで15〜30分程度です。イベントの開催頻度が月1回程度であれば、この手動インポートの運用で十分に回ります。月に複数回開催する場合は、Zapierなどの自動連携ツールを追加して、EventRegistの申込データをHubSpotへ自動送信する仕組みを検討してください。

この組み合わせが機能する理由

EventRegist:申込から受付までを一つのツールで完結できる

EventRegistを選ぶ最大の理由は、申込フォームの作成、参加者管理、QRコード受付という3つの機能が一つのツールに統合されている点です。申込と受付が別ツールだと、その間のデータ連携が新たな課題になりますが、EventRegistならその問題が発生しません。

日本語対応が完全であること、日本国内での利用実績が豊富であることも、会員向けイベントという文脈では重要です。参加者に届くメールや申込ページがすべて自然な日本語で表示されるため、会員に余計な負担をかけません。

一方で、EventRegist単体では参加履歴の長期的な蓄積や、会員セグメントに基づいたメール配信には対応しきれません。あくまでイベント単位の管理ツールであり、会員データベースとしての機能は限定的です。そのため、CRMとの組み合わせが必要になります。

CSVエクスポートに対応しているため、後続のCRMへのデータ連携がスムーズに行えます。APIも提供されていますが、まずはCSVベースの手動連携から始め、運用が安定してから自動化を検討するのが現実的です。

HubSpot:無料枠で始められる会員データベース兼フォローアップ基盤

HubSpotを会員データベースとして使う利点は、無料枠の範囲でもコンタクト管理、カスタムプロパティ、リストのセグメント、メール配信といった基本機能が揃っている点です。会員管理のために専用システムを新規導入するとコストも学習コストもかかりますが、HubSpotなら段階的に機能を拡張できます。

CSVインポート時の重複チェック機能が優秀で、メールアドレスや会員番号をキーにした自動マッチングが正確に動作します。これにより、イベントごとにインポートを繰り返しても、同一会員のレコードが重複して増えることがありません。

注意点として、無料枠ではメール配信の月間上限やカスタムプロパティの数に制限があります。会員数が1,000名を超え、月に複数回のイベントを開催するようになった段階で、有料プランへの移行を検討する必要があります。また、HubSpotは汎用CRMであるため、会員制度特有の機能(会費管理、資格管理など)は標準では備わっていません。そうした機能が必要な場合は、会員管理専用ツールとの併用を検討してください。

Recommended tool list

ToolRolePricingImplementation timeNotes
EventRegistイベントの申込受付・参加者管理・QRコード受付無料枠あり1〜2時間(初回イベント作成まで)申込フォームに会員番号のカスタム項目を追加することが運用の鍵。QRコード受付にはスマートフォンまたはタブレットが必要。CSVエクスポートでCRMへのデータ連携が可能。
HubSpot会員データベース・参加履歴の蓄積・フォローアップメール配信無料枠あり2〜3時間(カスタムプロパティ設定・初回インポートまで)コンタクトのカスタムプロパティとして会員番号・参加履歴関連フィールドを事前作成。CSVインポート時にメールアドレスまたは会員番号で既存レコードと自動マッチング。無料枠ではメール配信上限やプロパティ数に制限あり。

結論:申込の入口で会員IDを紐づけるだけで参加履歴の一元管理は始められる

会員向けイベントの申込・受付・参加実績の分断は、複雑なシステム統合がなくても解決できます。EventRegistで申込と受付を一元化し、イベント後にCSVでHubSpotへ取り込む。この3ステップのワークフローで、会員ごとの参加履歴が自動的に蓄積されていきます。

まずは次回のイベントで、申込フォームに会員番号の入力欄を1つ追加するところから始めてください。それだけで、参加実績をCRMに紐づける土台ができあがります。

Mentioned apps: EventRegist, Sales Hub

Related categories: イベント管理システム, 営業支援ツール(SFA)

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