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2026-02-13

有休取得予定と業務負荷を一画面で照合し取得率の低迷と現場の不満を解消する方法

有休を取りたいのに業務が立て込んでいて取れない。あるいは、有休を取ったら同僚にしわ寄せが行き、チーム全体の進捗が遅れてしまう。こうした状況は多くの職場で日常的に起きています。根本的な原因は、有休の取得予定、プロジェクトの進捗、チームメンバーの業務負荷がそれぞれ別々の仕組みで管理されていて、取得希望日と業務の繁閑を並べて確認する手段がないことにあります。

この記事は、従業員50〜300名規模の企業で、総務・人事を兼務している管理部門の担当者や、5〜15名程度のチームを率いるマネージャーを想定しています。読み終えると、有休の申請から承認までの流れの中に業務負荷の確認ステップを自然に組み込み、取得率の改善と業務への影響の最小化を両立させるワークフローを自社で再現できるようになります。大規模エンタープライズ向けの全社統合プロジェクトや、各ツールの網羅的な機能比較は扱いません。

なお、本記事で紹介するツールの組み合わせは代表的な一例です。同じ役割を果たす別の製品でも、同様のワークフローを構築できます。

読み終えた時点で、有休申請が入ったときにチームの業務負荷を即座に確認し、取得日の調整判断を5分以内に完了できる運用フローと、その設定手順の全体像が手に入ります。

Workflow at a glance: 有休取得予定と業務負荷を一画面で照合し取得率の低迷と現場の不満を解消する方法

なぜ有休を取りたいのに取れない状況が繰り返されるのか

情報が3か所に散らばっている構造的な問題

多くの企業では、有休の残日数や申請状況は勤怠管理システムに、プロジェクトの締め切りやタスクの割り当てはプロジェクト管理ツールに、会議や外出の予定はカレンダーに入っています。この3つの情報はそれぞれ別のツールに閉じているため、マネージャーが有休申請を受けたとき、承認してよいかどうかを判断するには3つの画面を行き来しなければなりません。

実際にはその手間を省くために、マネージャーは頭の中の記憶だけで判断しています。結果として、繁忙期に有休が集中して業務が回らなくなったり、逆に閑散期なのに遠慮して誰も有休を取らなかったりする偏りが生まれます。

承認判断の属人化がもたらす悪循環

マネージャーの記憶頼みの承認は、判断基準がブラックボックスになります。ある人の有休は通るのに別の人は通らない、という不公平感が生まれやすく、従業員は申請そのものを躊躇するようになります。取得率が下がると、年度末に駆け込みで有休を消化する事態が発生し、そのタイミングでまた業務に支障が出るという悪循環に陥ります。

法令対応のリスク

2019年の労働基準法改正により、年10日以上の有休が付与される従業員には年5日以上の取得が義務付けられています。取得状況を把握できていないと、法令違反のリスクを抱えることになります。罰則は従業員1人あたり30万円以下の罰金であり、対象者が多いほど経営への影響は大きくなります。

重要な考え方:有休申請の判断材料を1か所に集めて承認プロセスに組み込む

有休取得の問題を解決するために必要なのは、新しいルールを作ることではありません。すでに社内に存在している3種類の情報、つまり有休の残日数・業務の負荷状況・チームメンバーの予定を、承認判断のタイミングで1か所に集約して見られるようにすることです。

判断に必要な情報は3つだけ

マネージャーが有休申請を承認するかどうかを判断するために本当に必要な情報は、次の3つに絞れます。1つ目は、申請者の有休残日数と取得実績です。残日数が少ない人や取得が進んでいない人の申請は優先的に通すべきです。2つ目は、申請日前後のチーム全体のタスク量と締め切りです。納品直前や月末締めの時期に主担当が抜けると影響が大きいため、事前に把握しておく必要があります。3つ目は、同じ日に休む予定の他のメンバーの有無です。チーム内で同日に複数名が不在になると業務が止まるリスクが高まります。

自動で集まる仕組みにする

この3つの情報を毎回手作業で集めるのは現実的ではありません。勤怠管理システム、プロジェクト管理ツール、カレンダーの3つをつなぎ、有休申請が入った時点で関連情報が自動的にマネージャーの目に入る仕組みを作ることが重要です。完璧な自動化を目指す必要はなく、まずは情報が1か所に集まる状態を作るだけで、判断の質は大きく変わります。

有休申請から承認までに業務負荷チェックを組み込む実践ワークフロー

ステップ 1:有休申請と残日数の管理を一元化する(KING OF TIME)

まず、有休の申請・承認・残日数管理の基盤をKING OF TIMEに集約します。KING OF TIMEは従業員がスマートフォンやPCから有休申請を行い、マネージャーが承認する流れをオンラインで完結できる勤怠管理システムです。

運用のポイントは、KING OF TIMEの有休管理機能で全従業員の残日数と取得実績を常に最新の状態に保つことです。具体的には、入社日や勤続年数に応じた自動付与ルールを設定し、手動での日数管理をなくします。これにより、マネージャーは申請を受けた時点で、その従業員があと何日残っているか、今年度の取得が5日に達しているかを即座に確認できます。

担当者は人事・総務の担当者が初期設定を行い、日常の申請・承認はマネージャーと従業員が直接やり取りします。

ステップ 2:チームの業務負荷とタスク状況を可視化する(Backlog)

次に、チームの業務負荷を見える化する基盤をBacklogで整えます。Backlogはタスクやプロジェクトの進捗を管理するツールで、誰がいつまでにどのタスクを抱えているかを一覧で確認できます。

運用として重要なのは、各タスクに担当者・期限・優先度を必ず設定するルールを徹底することです。これが守られていれば、有休申請が入ったときにBacklogのガントチャートやマイルストーン画面を開くだけで、申請者が抱えているタスクの締め切り状況と、同じチームの他メンバーの負荷状況を一目で把握できます。

具体的な確認手順は次のとおりです。申請者の名前でタスクを絞り込み、有休希望日の前後1週間に期限が設定されているタスクがあるかを確認します。期限が重なるタスクがある場合は、そのタスクを別のメンバーに一時的に引き継げるかどうかを、同じ画面上で他メンバーの負荷を見ながら判断します。

このステップの所要時間は1回あたり3〜5分程度です。マネージャーが有休申請の通知を受けたタイミングで実施します。

ステップ 3:チーム全体の予定と不在状況を照合する(Google カレンダー)

最後に、Google カレンダーでチームメンバーの予定と不在状況を照合します。KING OF TIMEで有休が承認されたら、申請者のGoogle カレンダーに終日の不在予定を登録します。これにより、チーム全体のカレンダーを重ねて表示したとき、誰がいつ不在かが視覚的にわかるようになります。

マネージャーが有休申請を受けた段階で確認すべきことは、同じ日に他のメンバーが有休や外出で不在になっていないかです。Google カレンダーのチームカレンダー表示を使えば、メンバー全員の予定を横並びで確認できます。同日に2名以上が不在になる場合は、日程の調整を相談するか、事前にタスクの引き継ぎ計画を立てます。

運用サイクルとしては、マネージャーは毎週月曜日に翌週のチームカレンダーを5分間確認し、不在の集中がないかをチェックします。月末には翌月の有休取得予定とプロジェクトの山場を照合し、必要に応じてチーム内で取得推奨日をアナウンスします。

この組み合わせが機能する理由

KING OF TIME:有休残日数と取得実績をリアルタイムに把握できる

KING OF TIMEを選ぶ最大の理由は、有休の自動付与・残日数計算・取得実績の集計が標準機能として備わっている点です。年5日の取得義務に対する進捗もダッシュボードで確認でき、取得が遅れている従業員を早期に把握できます。

注意点として、KING OF TIME単体ではプロジェクトの業務負荷までは見えません。あくまで勤怠と有休の管理に特化したツールであるため、業務負荷の確認は別のツールと組み合わせる必要があります。また、API連携は上位プランで利用可能ですが、今回のワークフローでは手動での確認フローでも十分に機能します。

Backlog:タスクの偏りと締め切りの集中を事前に検知できる

Backlogの強みは、ガントチャートによるスケジュールの可視化と、担当者ごとのタスク量の把握が直感的にできる点です。日本国内での利用実績が豊富で、ITに詳しくないメンバーでも操作しやすい画面設計になっています。

トレードオフとして、Backlogの情報が正確であるためには、タスクの登録と更新をチーム全員が日常的に行う運用ルールの定着が不可欠です。タスクが登録されていなければ負荷の可視化はできません。導入初期は、毎日の朝会でBacklogの更新状況を確認する時間を設けるなど、習慣化の仕掛けが必要です。

Google カレンダー:不在の重複を視覚的に防止できる

Google カレンダーを使う理由は、ほとんどの企業ですでに導入済みであり、追加コストなしでチームの不在管理に活用できる点です。チームカレンダーの重ね表示機能を使えば、同日の不在集中を一目で発見できます。

制約として、Google カレンダーはあくまで予定の表示ツールであり、不在が集中した場合に自動でアラートを出す機能はありません。そのため、マネージャーが定期的にカレンダーを確認する運用ルールを設けることが前提になります。Microsoft 365を利用している企業であれば、Outlook予定表でも同様の運用が可能です。

Recommended tool list

ToolRolePricingImplementation timeNotes
KING OF TIME有休の申請・承認・残日数管理を一元化し、取得実績をリアルタイムに把握する月額課金1〜2週間従業員の有休付与ルール(入社日基準・一斉付与など)を事前に整理しておくと初期設定がスムーズに進む。既存の勤怠データがある場合はCSVで一括取り込みが可能。
Backlogタスクの担当者・期限・優先度を管理し、チーム内の業務負荷を可視化する月額課金1〜2週間まずは1チーム・1プロジェクトから始め、タスク登録の習慣が定着してから他チームに展開する。ガントチャート機能はスタンダードプラン以上で利用可能。
Google カレンダーチームメンバーの予定と不在状況を一覧表示し、同日の不在集中を防止する無料枠あり即日Google Workspace導入済みであれば追加設定不要。チーム共有カレンダーを1つ作成し、有休確定時に終日予定を登録するルールを設ける。Microsoft 365環境ではOutlook予定表で代替可能。

結論:3つの情報を承認フローに載せるだけで有休取得の判断は変わる

有休取得率の低迷は、従業員の意識の問題ではなく、判断に必要な情報が分散していることが原因です。KING OF TIMEで有休残日数を、Backlogで業務負荷を、Google カレンダーでチームの不在状況を確認する。この3つの確認を有休申請の承認プロセスに組み込むだけで、マネージャーは根拠のある判断ができるようになり、従業員も安心して有休を申請できる環境が整います。

最初の一歩として、まずはKING OF TIMEで全従業員の有休残日数と今年度の取得実績を一覧化してください。取得が遅れている従業員が見えるだけでも、チーム内での声かけや日程調整のきっかけが生まれます。そこから、Backlogでのタスク可視化、Google カレンダーでの不在管理と段階的に広げていくことで、無理なく運用を定着させることができます。

Mentioned apps: KING OF TIME, Backlog, Google カレンダー

Related categories: オフィススイート, タスク管理・プロジェクト管理, 人事システム

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