Googleが提供するPaaSです。認証、データベース、ストレージ、ホスティング、プッシュ通知といったモバイル・Webアプリ開発に欠かせないバックエンド機能を、マネージドサービスとして一括提供しています。インフラ運用の負荷を抑えながら開発スピードを上げたい大企業に適したプラットフォームといえるでしょう。リアルタイムデータベースやCloud Firestoreを活用すれば、チャットやダッシュボードなど、リアルタイム性が重要な大規模サービスでもスケーラブルに実装できます。同種の製品と比較した際の大きな強みは、フロントエンドエンジニアだけでプロトタイプから本番環境まで一気通貫で構築しやすい点です。また、BigQueryをはじめとするGoogle Cloudサービスとネイティブに連携できるため、既にGoogle Cloudを導入している大企業なら、ログや行動データの分析、機械学習基盤とのデータ連携もスムーズに進められます。特に、モバイルアプリ開発とアナリティクス、A/Bテスト、リモート設定などを統合的に運用したい大企業のプロダクトチームに向いており、スピーディな検証とグローバル規模での展開を両立させたい企業にマッチするサービスです。

Bubble Groupが提供するPaaSです。Bubbleは、クラウド上で動作するノーコード型のアプリケーション開発・運用基盤で、ブラウザだけで業務Webアプリや顧客向けサービスを構築し、そのまま本番運用まで完結できます。一般的なPaaSが「インフラからランタイム」までを提供するのに対し、BubbleはUIデザイン、ワークフロー定義、データベース設計、ユーザー管理といった要素をすべてビジュアル開発環境で扱えるため、要件定義からプロトタイプ、スケールまでを同じプラットフォーム上で進められるのが特長です。大企業でニーズの高いAPI連携や外部SaaSとの統合も、プラグインやAPIコネクタで柔軟に対応できるため、内製開発チームによる高速なPoCや、既存業務システムのフロント刷新に適しています。バージョン管理・権限管理・環境分離などチーム開発に必要な機能も充実しており、企画部門・情シス・開発部門が同じ画面を見ながら協力してアプリを育てられる点も大きな強みです。インフラ設定やコード記述に時間をかける従来型PaaSと比べ、ビジネスロジックとUX設計に集中したい大企業のDX推進部門や新規事業部、グローバル拠点を横断する業務アプリの共通基盤として有力な選択肢といえます。

OutSystemsが提供するPaaSです。OutSystems Platformは、エンタープライズ向けローコード開発プラットフォームとして高く評価されており、Webやモバイルの業務アプリケーションから基幹システムまで、高いパフォーマンスとガバナンスを保ちながらスピーディに構築できることが大きな特長です。ドラッグ&ドロップを中心としたビジュアル開発環境でありながら、フロントエンドはHTML/JavaScript、バックエンドはC#などでの拡張も可能で、一般的なローコードツールと比べてフルスタック開発に近い柔軟性を備えています。クラウドネイティブな設計と豊富なコネクタにより、既存のERP・CRM・レガシーシステムとの連携や、段階的なシステムモダナイゼーションにも対応できます。 一般的なローコードPaaSと比較した際の最大の特徴は、「開発生産性とエンタープライズ要件の両立」を重視した設計思想にあります。運用環境の分離、組み込みのモニタリングやパフォーマンス分析、セキュリティチェック、自動テストやCI/CDといったエンタープライズDevOpsに必要な機能が標準装備されており、大規模なユーザー基盤やミッションクリティカルな業務システムでも安心してスケールできる構成です。近年はAIを活用した自動コード生成や設計支援機能も強化され、要件定義からリリースまでのリードタイム短縮を目指す企業に適しています。 主な対象は大企業です。グローバルで複数の事業部門や多数のシステムが同時稼働する環境、金融・製造・通信など高い信頼性とコンプライアンスが求められる業界で、標準化された開発基盤として導入されるケースが多く見られます。スケールを見据えた中堅企業が将来の基幹プラットフォームとして採用し、PoC段階から段階的に適用領域を広げる事例もあります。開発スピードだけでなく、保守性・拡張性・統制を重視する大企業向けのPaaSといえるでしょう。

Zohoが提供するPaaSです。Zoho Creatorは、ノーコード・ローコードで業務アプリケーションを構築できるクラウド型のプラットフォームで、複数の部門や拠点で使える統一基盤が必要な大企業に適しています。ドラッグ&ドロップでフォームやワークフローを直感的に作れるだけでなく、独自のスクリプト言語「Deluge」を使うことで、細かな業務ロジックや外部サービスとの連携も柔軟に実現できます。一般的なフォーム作成ツールでは難しい、複雑な業務要件にも対応しやすいのが大きな特長です。 ユーザーや権限の管理、監査ログ、承認プロセスの設計など、大企業が重視するガバナンス機能も充実しており、グローバルで培われたセキュリティ運用基盤を利用できる点も強みといえます。BIやレポート機能、モバイルアプリの自動生成機能も備えているため、現場部門が自らデータを活用し、業務改善を進めやすい環境が整います。専用システムを開発するよりも短期間・低コストで、拡張性のある業務アプリを展開したい大企業に向いています。また、他のZoho製品や外部クラウドサービスとの連携も豊富で、全社的なデジタル基盤として活用したい企業から評価されているPaaSです。

Mendixが提供するPaaSです。エンタープライズ向けのローコード開発プラットフォームで、業務システムやWeb・モバイルアプリをモデル駆動で素早く作れるのが魅力です。インフラやミドルウェアの細かい設定を気にせず、ブラウザ上のビジュアルIDEで設計から開発、テスト、デプロイまで一連の流れをスムーズに進められます。従来型のPaaSに比べて開発効率が高く、ビジネス部門とも協力しやすい仕組みになっています。クラウドネイティブなコンテナ基盤を採用しているため、パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスのどの環境へもワンクリックでデプロイ可能です。豊富なテンプレートやウィジェットが揃ったマーケットプレイスも用意されており、大規模な企業システム全体で標準化や再利用を進めやすいのも強みと言えます。ガバナンス機能やセキュリティ管理、CI/CD、運用監視といったアプリケーションライフサイクル全体をカバーする機能が充実している点も特徴的です。こうした理由から、基幹系・業務系アプリのモダナイゼーションや内製化を目指す日本の大企業のIT部門にとって、特に適したプラットフォームとなっています。

Implem Inc.が提供するPaaSです。Pleasanterは、オープンソースのローコード開発プラットフォームで、表計算ソフトのような直感的な操作性と、ドラッグ＆ドロップで画面をデザインできる「スマートデザイン」機能を備えています。IT部門に頼らず、現場の業務担当者が主体となって必要なアプリケーションをスピーディに作れることが大きな魅力です。Excelや既存の社内システムからスムーズに移行できるほか、テーブル間の親子関係設定、ワークフロー、権限管理といった実務に必要な機能が最初から揃っており、案件管理や資産管理、ESGデータの集計など、さまざまな業務に横展開しやすい設計になっています。 大企業での利用を想定した機能も充実しており、大規模アクセスに対応するクラスタリングやKVSによる高速化、Active Directory連携・SAML・TOTPなど多彩な認証方式、REST APIを通じたERP・CRMとの連携など、エンタープライズ要件をしっかりカバーしています。オンプレミス・クラウドのどちらでも運用でき、ソースコードが公開されているため自社仕様への拡張やガバナンス管理もしやすく、複数拠点を持つ大規模組織が業務部門主導でDXを進める基盤として適しています。

Appianが提供するPaaSです。ローコード開発と業務プロセス管理（BPM）を軸に、ワークフロー設計やフォーム・UI構築、RPAや既存システムとの連携まで、ひとつのプラットフォームで完結できるのが大きな魅力です。ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な操作により、IT部門だけでなく業務部門の担当者も開発に参加しやすく、要件変更が頻繁に発生する企業環境でも柔軟かつスピーディに対応できます。大規模ユーザーへの対応や厳格なガバナンス要求に応える権限管理、多拠点展開を想定した高い拡張性、クラウドとオンプレミスの選択肢など、企業インフラとしての信頼性も十分に備えています。同種のPaaSと比較すると、プロセスモデリングとケースマネジメント機能の統合度が際立って高く、業務フロー起点で全社横断のアプリケーション基盤を構築したい大企業に最適です。金融、製造、公共といった、複雑な承認フローやコンプライアンス対応が不可欠な業種において、デジタルワークフローの標準化と可視化を推進したい日本の大企業にとって有力な選択肢となるでしょう。

キヤノンITソリューションズが提供するPaaSです。WebPerformer Cloudは、業務システム開発をクラウド上で完結できる国産のローコード開発基盤です。要件定義が済めば、モデルベースの設計から実装までを一括生成でき、ブラウザだけでエンタープライズ向けのWebアプリケーションを構築できます。一般的なPaaSがインフラやミドルウェアの提供を中心としているのに対し、本製品は帳票作成、マスタ管理、ワークフローといった日本企業特有の業務パターンをあらかじめテンプレート化しており、スクラッチ開発に比べて生産性を大きく向上できる点が特長です。大企業で必要となる既存システムとの連携やデータベース接続も、GUIベースの設定画面や標準コネクタを使って比較的容易に実現できるため、情報システム部門が全社共通の開発基盤として導入・運用しやすい設計になっています。汎用PaaSと比べて業務アプリに特化し日本市場へのフィット感が高く、海外製ローコードツールと比べてもドキュメントやサポートが充実しているため、複数部門やグループ会社をまたぐDX基盤を整備したい大企業に適しています。