大企業向けのセキュリティAIとは?
大企業・上場企業向けのセキュリティAI(シェア上位)
大企業向けのセキュリティAIとは?
更新:2025年10月03日
大企業向けのセキュリティAIの機能
大企業のセキュリティAIは脅威検知から対応まで自動化し、情報システム部門の業務効率化を実現します。
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リアルタイム脅威検知
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行動分析による内部不正検知
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自動インシデント対応
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脆弱性管理
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フィッシング対策
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アクセス制御の最適化
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セキュリティログ分析
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コンプライアンス監査支援
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大企業向けのセキュリティAIを導入するメリット
大企業のセキュリティAI導入は業務効率化とリスク管理の両面で大きな価値を提供します。
業務効率化の実現
運用コスト削減
検知精度の向上
対応速度の向上
ガバナンス強化
事業継続性の向上
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大企業向けのセキュリティAIの選び方
大企業のセキュリティAI選定では技術要件と経営要件の両面から総合的な評価が必要です。
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業務要件との適合性評価
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システム連携性の確認
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拡張性とカスタマイズ対応
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総保有コスト分析
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サポート体制とSLA保証
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大企業向けのセキュリティAIのタイプ(分類)
大企業のセキュリティAIはクラウド型とオンプレミス型に大別され、組織規模や業界規制に応じた選択が重要です。
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クラウド型セキュリティAI
クラウド型は月額課金制で初期導入コストを抑えられ、機能拡張も柔軟に対応できます。IT部門のリソースが限られた製造業では、サーバー運用負荷なしに脅威検知機能を利用できるメリットがあります。流通業の多店舗展開でも統一したセキュリティ管理が実現し、全社的なリスク管理体制を構築できます。
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オンプレミス型セキュリティAI
オンプレミス型は自社設備内で稼働するため、機密情報の外部流出リスクを回避できます。金融機関や医療機関など高度な情報保護が必要な業界で採用されています。初期投資は高額ですが、長期運用では総保有コストを抑制でき、既存システムとの連携もカスタマイズで実現可能です。
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ハイブリッド型セキュリティAI
ハイブリッド型はクラウドとオンプレミスの特長を組み合わせ、業務要件に応じた最適配置を実現します。重要データは社内環境で処理し、脅威情報の収集や分析はクラウドサービスを活用します。大手商社では国内外拠点の統合管理に活用し、地域別のセキュリティポリシーも柔軟に運用しています。
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大企業がセキュリティAIを導入する上での課題
大企業のセキュリティAI導入では技術的課題と組織的課題の両面から慎重な検討が必要です。
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要件定義の複雑化
大企業では部門ごとに異なるセキュリティ要件があり、全社統一の仕様策定が困難です。営業部門は外部アクセスの利便性を重視し、経理部門は機密保持を最優先とする場合があります。要件整理では各部門責任者との個別ヒアリングを実施し、優先順位付けと妥協点の明確化が必要です。3か月程度の要件定義期間を確保し、段階的な機能実装計画を策定することが重要です。
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既存システムとの連携
レガシーシステム(従来システム)との接続には技術的な制約が多く、データ形式やプロトコル(通信規約)の変換が必要です。基幹システムとの連携テストでは本番環境に近い検証環境を構築し、性能劣化や障害の影響範囲を事前確認します。移行手順書の作成と段階的な切り替えスケジュールにより、業務停止リスクを最小化できます。
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専門人材の確保
セキュリティAIの運用には機械学習とサイバーセキュリティの両方の知識が必要です。社内育成では6か月程度の技術研修と実務経験の蓄積が必要となります。外部専門家の活用では運用体制の設計と知識移転計画を策定し、内製化への移行スケジュールを明確にします。
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SLA要件の設定
SLA(サービス品質保証)では可用性99.9%以上、脅威検知時間5分以内などの具体的指標を設定します。ベンダーとの責任分界点を明確化し、障害時のエスカレーション(上位報告)手順を策定します。月次レビューでの性能評価と改善計画により、継続的な品質向上を実現します。
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コスト管理の複雑化
初期導入費用に加えて運用保守費用、ライセンス更新費用の長期的な予算計画が必要です。ROI(投資対効果)の測定では業務効率化による人件費削減やインシデント対応コストの軽減を定量評価します。年次での費用対効果レビューにより、機能拡張や契約見直しの判断材料を整備します。
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企業規模に合わないセキュリティAIを導入するとどうなる?
企業規模に適さないセキュリティAIの導入は効果的な運用を阻害し、投資効果を大幅に低下させます。
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過剰機能によるコスト超過
大企業向けの高機能製品を中小企業が導入すると、不要な機能に対する高額なライセンス費用が発生します。年間数百万円の維持費用に対して実際の利用価値は3割程度に留まる場合があります。段階的導入により必要機能から開始し、業務拡大に応じた機能追加を検討することで無駄な投資を回避できます。PoC(概念実証)での事前検証により、自社要件との適合性を十分確認することが重要です。
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運用負荷の増大
高度な機能を持つシステムは専門知識を持つスタッフによる運用が必要となり、中小企業では人的リソースが不足します。複雑な設定変更や障害対応に多大な時間を要し、本来業務に支障をきたします。外部サポートへの依存度が高まり、迅速な問題解決が困難になる場合もあります。導入前に運用体制の構築と専門スキルの確保を計画し、必要に応じて運用委託も検討すべきです。
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データ分断の発生
既存システムとの連携が不十分だと、セキュリティ情報が分散して一元管理ができません。複数の管理画面を使い分ける必要があり、運用効率が大幅に低下します。インシデント発生時の全体把握が困難になり、対応の遅延や見落としが発生する恐れがあります。統合管理機能の確認と段階的なシステム統合により、運用負荷を最小化できます。
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ベンダーロックインのリスク
特定ベンダーの独自技術に依存すると、将来的なシステム変更が困難になります。他社製品への移行時に大幅なコストと時間を要し、ビジネス戦略の柔軟性が損なわれます。契約更新時の価格交渉でも不利な立場に置かれる可能性があります。オープンな技術基盤を採用し、複数ベンダーでの比較検討を定期的に実施することが重要です。
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投資回収期間の長期化
企業規模に見合わない投資により、期待した効果が得られず投資回収が困難になります。高額な初期費用に対して業務改善効果が限定的で、3年以上の長期間を要する場合があります。経営陣への説明責任が果たせず、IT投資全体への信頼性が低下する恐れもあります。段階的投資により短期間での効果確認と追加投資判断を行い、リスクを分散することが効果的です。
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大企業がセキュリティAIを使いこなすコツ
大企業のセキュリティAI活用では計画的な導入と継続的な改善により最大効果を実現できます。
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導入前の詳細計画策定
WBS(作業分解構造)により導入プロセスを細分化し、各工程の責任者と期限を明確化します。要件定義から本稼働まで6か月程度の詳細スケジュールを作成し、関係部門との調整会議を定期開催します。リスク管理表により想定される問題と対策を事前準備し、プロジェクト遅延を防止します。情報システム部門主導で営業部門、経理部門、人事部門の代表者を含む推進委員会を設置し、全社的な合意形成を図ります。
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段階的導入による効果検証
パイロット部門での限定運用により機能検証と課題抽出を行い、全社展開前の改善を実施します。3か月間の試行運用で操作性や検知精度を評価し、設定調整や追加研修の必要性を判断します。部門別の導入順序は業務影響度とセキュリティリスクを考慮して決定し、段階的な拡張により安定運用を実現します。製造業では本社情報システム部門から開始し、工場や営業所へ順次展開する手法が効果的です。
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専門人材の計画的育成
セキュリティAIの運用に必要なスキルマップを作成し、現有スタッフの能力評価と育成計画を策定します。外部研修の受講と実務での OJT(職場内研修)を組み合わせ、6か月程度で運用レベルの知識習得を目指します。ベンダーからの技術移転セッションや定期的な勉強会により、継続的なスキル向上を図ります。複数名での知識共有により、担当者不在時のバックアップ体制も構築できます。
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運用ルールの標準化
インシデント対応手順書やエスカレーション基準を詳細に策定し、担当者による対応のばらつきを防止します。定期的な運用レビュー会議により改善点を抽出し、手順書の継続的な更新を実施します。他部門との連携ルールも明文化し、緊急時の迅速な情報共有と意思決定を可能にします。月次の運用報告書により経営陣への状況報告と予算確保の根拠資料を整備します。
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継続的な改善活動
月次の効果測定により業務効率化の定量評価を実施し、追加投資や設定変更の判断材料とします。ユーザーアンケートや運用ログ分析により使い勝手の改善点を特定し、カスタマイズや追加研修を実施します。新たな脅威や法規制変更に対応した機能拡張や設定見直しを定期的に検討し、セキュリティレベルの維持向上を図ります。年次の全体レビューにより中長期的な戦略見直しと次期投資計画を策定します。
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セキュリティAIの仕組み、技術手法
セキュリティAIは機械学習と大量データ解析により高度な脅威検知と自動対応を実現する技術体系です。
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機械学習による脅威パターン学習
セキュリティAIは過去のサイバー攻撃データを機械学習で解析し、攻撃パターンを自動学習します。正常な通信と異常な通信の特徴を統計的に分析し、未知の脅威も検出できる判定モデルを構築します。深層学習により複雑な攻撃手法も識別でき、従来の定義ファイルに依存しない柔軟な対応を実現します。金融機関では数百万件の取引データから不正送金パターンを学習し、99%以上の検知精度を達成しています。
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リアルタイムデータストリーム処理
ネットワーク上を流れる大量のデータを瞬時に解析するストリーム処理技術により、脅威の即座検知を実現します。パケット解析エンジンが通信内容をリアルタイムで監視し、マルウェア通信や情報漏えいの兆候を検出します。分散処理アーキテクチャにより毎秒数ギガバイトのデータ処理が可能で、大規模企業のネットワーク監視に対応します。処理遅延を1ミリ秒以下に抑制し、業務への影響を最小化しています。
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行動分析とユーザープロファイリング
各ユーザーの通常業務パターンをAIが学習し、異常な行動を自動検出する仕組みです。ログイン時間、アクセス先システム、操作内容の統計分析により個人別の行動プロファイルを作成します。通常と異なるアクセスパターンや大量データダウンロードを検知し、内部不正や账号乗っ取りを早期発見します。製造業では設計データへの不審なアクセスを検知し、技術情報の漏えい防止に活用されています。
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自然言語処理による脅威インテリジェンス
世界中のセキュリティ情報を自然言語処理で自動収集し、最新の脅威動向を把握します。セキュリティベンダーのレポートやSNS上の情報を解析し、新たな攻撃手法や脆弱性情報を抽出します。収集された脅威情報は自動的に検知ルールに反映され、ゼロデイ攻撃(未知の脅威)への対応力を向上させます。多言語対応により国際的な脅威情報も活用し、グローバル企業のセキュリティ強化に貢献します。
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グラフ解析による関連性発見
ネットワーク上の通信関係をグラフ構造で表現し、攻撃経路や影響範囲を可視化します。感染端末から拡散する横展開攻撃のパターンを早期発見し、被害拡大を防止します。システム間の依存関係も解析し、障害時の影響予測や復旧優先順位の決定に活用されます。大手商社では海外拠点間の通信パターン分析により、標的型攻撃の侵入経路を特定し効果的な対策を実施しています。
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自動オーケストレーション機能
脅威検知時の対応手順を事前定義し、人手を介さずに自動実行するオーケストレーション技術を活用します。感染端末の隔離、関連アカウントの無効化、証跡ログの保全を連携実行し、初動対応の迅速化を実現します。複数のセキュリティツールを統合制御し、一元的なインシデント管理を可能にします。電力会社では制御システムへの攻撃検知時に緊急停止処理を自動実行し、インフラ保護を実現しています。
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クラウド連携による脅威情報共有
クラウド上の脅威データベースと連携し、最新の攻撃情報を自動更新する仕組みです。世界中の企業から収集された脅威情報を共有し、集合知による防御力向上を実現します。匿名化された攻撃データの相互提供により、業界全体のセキュリティレベル向上に貢献します。リアルタイム更新により新たな脅威への対応時間を大幅短縮し、先制的な防御体制を構築できます。
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説明可能AI技術の活用
AIの判定根拠を人間が理解できる形で説明する技術により、運用者の信頼性向上と効果的な改善を実現します。どのような特徴が脅威判定の決め手となったかを可視化し、誤検知の原因分析や検知ルールの調整に活用します。監査対応や経営報告において判定プロセスの透明性を確保し、AI活用に対する組織的な理解促進に貢献します。金融業界では規制当局への説明責任を果たすため、判定ロジックの詳細説明機能を重視しています。
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大企業向けのセキュリティAIの料金相場
大企業向けのセキュリティAIの料金相場は、導入形態や管理対象端末数、必要な機能の範囲などの要因により異なります。この段落では、具体的な料金相場について紹介します。大企業特有の大規模環境や高度なセキュリティ要件に対応するため、多くの製品は個別見積もり制を採用しており、定額制と従量課金制の組み合わせも一般的です。
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提供形態別の料金体系
大企業向けのセキュリティAIには、クラウド型(SaaS型)とオンプレミス型という2つの主要な提供形態があります。クラウド型は初期費用を抑えつつ月額や年額のサブスクリプション(定期購読型の料金体系)で利用できるため、導入のしやすさが特徴です。一方、オンプレミス型は自社のサーバーに直接導入する形態で、大規模な初期投資が必要となりますが、長期的な運用コストやデータ管理の自由度を重視する大企業に選ばれています。クラウド型の年額料金は1端末あたり5,000円〜300,000円の範囲が一般的で、オンプレミス型は1,000端末規模で年額9,000,000円〜90,000,000円程度となります。
| 提供形態 | 料金相場(年額) | 初期費用 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| クラウド型(SaaS型) | 5,000円〜300,000円/端末 | 低額〜無料 | 迅速な導入、自動更新、運用負荷の軽減、柔軟なスケーリング(規模の拡張) |
| オンプレミス型(1,000端末) | 9,000,000円〜90,000,000円 | 高額(システム構築費) | データ管理の自由度、カスタマイズ性、ネットワーク分離環境での運用 |
| オンプレミス型(5,000端末) | 45,000,000円〜450,000,000円 | 高額(システム構築費) | 大規模環境対応、高い処理能力、長期契約による割引設定 |
| オンプレミス型(10,000端末) | 90,000,000円〜900,000,000円 | 高額(システム構築費) | 超大規模環境対応、冗長構成(システムの予備を用意する仕組み)、専用サポート |
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企業規模別の料金体系
大企業向けのセキュリティAIは、管理対象となる端末数や従業員数によって料金が大きく変動します。大企業では数千から数万台の端末を管理するため、1台あたりの単価は下がる傾向にありますが、総額は大きくなります。中堅企業や中小企業向けのプランと比較すると、大企業向けは高度な脅威検知機能やマネージドサービス(外部専門家による運用代行)が含まれるため、1台あたりの料金は高額になる傾向があります。個人事業主向けは基本的な保護機能のみで月額1,000円〜3,000円程度ですが、大企業向けは月額10,000円〜50,000円以上となることも珍しくありません。
| 企業規模 | 管理端末数の目安 | 月額料金相場(1端末あたり) | 年額料金相場(1端末あたり) | 主な機能と特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 個人事業主 | 1〜10台 | 1,000円〜3,000円 | 12,000円〜36,000円 | 基本的なウイルス対策、ファイアウォール(通信の監視と制御)、簡易管理機能 |
| 中小企業 | 10〜500台 | 2,000円〜8,000円 | 24,000円〜96,000円 | 次世代アンチウイルス、デバイス制御、クラウド管理コンソール(管理画面) |
| 中堅企業 | 500〜5,000台 | 5,000円〜20,000円 | 60,000円〜240,000円 | EDR(エンドポイント検知・対応)、脅威インテリジェンス(脅威情報の収集と分析)、高度な分析機能 |
| 大企業 | 5,000台以上 | 10,000円〜50,000円 | 120,000円〜600,000円 | XDR(統合的な検知・対応)、MDR(マネージド検知・対応)、24時間365日監視、専任サポート、カスタマイズ対応 |
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機能レベル別の料金体系
セキュリティAIの料金は、提供される機能の範囲によって大きく異なります。基本的なエンドポイント保護(端末の保護機能)のみを提供するプランは比較的低額ですが、高度な脅威検知や自動対応、専門家による監視サービスを含むプランは高額になります。基本保護プランは年額5,000円〜50,000円程度で、次世代アンチウイルスやファイアウォール管理などの基本機能を提供します。EDR機能を含むプランは年額50,000円〜200,000円程度で、脅威の検知と詳細な分析が可能になります。最上位のMDRサービス付きプランは年額200,000円〜600,000円以上となり、24時間365日の専門家による監視と対応が含まれます。 基本保護プランは、ウイルスやマルウェア(悪意のあるプログラム)からの保護を主目的としています。一方、EDRプランは侵入後の脅威を検知し、被害の拡大を防ぐことに重点を置いています。MDRサービスは、セキュリティ専門家が常時監視を行い、インシデント(セキュリティ上の問題)発生時には即座に対応します。大企業では、高度な標的型攻撃やランサムウェア(データを人質に取る攻撃)への対策が必須となるため、EDR以上の機能を持つプランが推奨されます。
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契約期間による料金の違い
セキュリティAIの導入では、契約期間の長さによって料金が変動する仕組みが一般的です。年間契約と複数年契約では、長期契約ほど割引率が高くなる傾向があります。1年契約を基準とすると、3年契約では10%〜15%程度、5年契約では15%〜20%程度の割引が適用されることが多くなっています。オンプレミス型の製品では、1,000端末規模の仮想環境向けプランが1年契約で年額9,000,000円のところ、5年契約では年額7,650,000円程度となり、総額で6,750,000円の節約になる計算です。ただし、長期契約は途中解約時の違約金や、製品の陳腐化(時代遅れになること)のリスクも考慮する必要があります。 大企業では、セキュリティ環境の継続性と予算の平準化を重視するため、3年から5年の長期契約を選択するケースが増えています。長期契約では、ライセンス(使用許諾)の一括購入による割引に加えて、保守サポートやアップグレード(機能向上)の優遇措置が受けられることもあります。ただし、技術革新のスピードが速いセキュリティ分野では、契約期間中に新しい脅威や技術が登場する可能性があるため、柔軟な契約内容の交渉が重要になります。
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従量課金型の料金体系
近年、大企業向けのセキュリティAIでは従量課金型の料金体系も増えています。従量課金型は、実際に使用したデータ量やイベント数(セキュリティ上の出来事の件数)に応じて料金が決まる仕組みです。SIEM(セキュリティ情報イベント管理)製品では、1秒あたりのイベント数(EPS)や1分あたりのフロー数(FPM)を基準に課金されることが一般的です。典型的な従量課金の例として、100EPSで月額300,000円〜500,000円、1,000EPSで月額2,000,000円〜3,000,000円程度となります。 従量課金型のメリットは、ビジネスの成長や変化に応じて柔軟にスケールできる点です。繁忙期と閑散期でトラフィック(通信量)が大きく変動する企業や、複数の子会社を持つグループ企業では、使用量に応じた課金により無駄なコストを削減できます。一方で、予期せぬトラフィック増加により料金が急増するリスクもあるため、使用量の上限設定やアラート(警告通知)機能の活用が推奨されます。また、一部の製品では無制限データプランを提供しており、定額で制限なくデータを取り込めるため、予算管理がしやすくなっています。
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追加オプション費用
大企業向けのセキュリティAIでは、基本プランに加えて多様なオプション機能が用意されています。モバイル端末保護は月額500円〜2,000円程度、フルディスク暗号化(ハードディスク全体の暗号化)は月額1,000円〜3,000円程度、脆弱性管理(セキュリティ上の弱点の管理)とパッチ管理(修正プログラムの適用管理)は月額1,500円〜4,000円程度が相場です。メールセキュリティ機能は月額800円〜2,500円程度、クラウドアプリケーション保護は月額2,000円〜5,000円程度となっています。 さらに、専門家によるサポートサービスも重要なオプションです。プレミアムサポートは月額50,000円〜200,000円程度で、優先的な技術サポートや専任の担当者が付きます。インシデント対応支援(緊急時の専門家による支援)は、1インシデントあたり500,000円〜3,000,000円程度、定期的な脅威ハンティング(脅威の積極的な探索)サービスは月額300,000円〜1,000,000円程度が一般的です。ストレージ(データ保存領域)の追加は、500GBあたり月額18,000円〜50,000円程度となります。
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見積もり制の料金体系
大企業向けのセキュリティAI市場では、公開価格を設定せず、個別見積もり制を採用している製品が大半を占めています。個別見積もりでは、企業の規模、業種、既存のIT環境、必要な機能、サポートレベルなどを総合的に評価して価格が決定されます。大企業向けの製品で公開価格が設定されていないのは、各企業のセキュリティ要件が大きく異なるためです。金融機関や医療機関では厳格なコンプライアンス(法令遵守)要件があり、製造業ではOT環境(工場などの制御システム)の保護が必要となります。 見積もり取得の際には、現在の端末数だけでなく、今後3年から5年の成長計画も考慮することが重要です。将来的な拡張性を確保しつつ、現在の予算内で最適なプランを選択するためには、複数のベンダー(製品提供企業)から見積もりを取得し、機能と価格を比較することが推奨されます。また、概念実証(PoC)として、本格導入前に小規模な環境で製品を試用できる場合も多く、15日から90日程度の無料トライアルを活用することで、実際の運用コストを把握できます。
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代表的な大企業向けセキュリティAIの料金
ここでは、代表的な大企業向けセキュリティAIの料金について紹介します。市場で広く採用されている主要製品の料金体系と特徴を1つの表にまとめて比較できるようにしました。各製品は提供形態や機能範囲が異なるため、企業のニーズに応じて選択することが重要です。 以下の表は、大企業向けのセキュリティAI製品から代表的な10製品を選定し、その料金と主な特徴をまとめたものです。多くの製品が個別見積もり制を採用していますが、一部の製品では公開価格を設定しています。クラウド型製品は端末単位の年額料金、オンプレミス型製品は一定規模での年額料金が示されています。
| 製品名 | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| CrowdStrike Falcon Enterprise | 年額$184.99/デバイス | クラウドネイティブEDR(次世代の脅威検知・対応)、Falcon Insight XDR、Adversary OverWatch(脅威ハンティング)、デバイス制御、ファイアウォール管理 |
| SentinelOne Singularity Complete | 年額$179.99/端末 | エンドポイント・クラウド保護、リアルタイム検知・対応、データ保持14日、AIセキュリティアシスタント、自動修復機能 |
| Cybereason On-Prem Medium | 年額$450,000(5,000端末) | オンプレミス展開、EDR・NGAV(次世代アンチウイルス)、エクスプロイト防御(脆弱性を狙った攻撃の防御)、アンチランサムウェア、エアギャップ環境対応 |
| ESET PROTECT Elite | オンライン購入画面で表示 | XDR機能(ESET Inspect)、多要素認証、フルディスク暗号化、クラウドサンドボックス、脆弱性・パッチ管理、中堅〜大規模向け |
| Sophos Intercept X(XDR) | 要問い合わせ | EDR/XDR統合、次世代アンチウイルス、CryptoGuard(ランサムウェア対策)、エクスプロイト防止、Sophos Central管理、シンプルな価格設定 |
| Trend Vision One | 要問い合わせ | 統合型サイバーセキュリティプラットフォーム、XDR、攻撃対象領域リスク管理、セキュリティオペレーション、クレジット従量課金あり、30日間無料体験 |
| Microsoft Defender for Endpoint プラン2 | 公式サイトに料金情報なし | 自動調査と修復、脅威と脆弱性の管理、脅威分析、サンドボックス、エキスパートによるハンティング、Microsoft製品との統合 |
| Palo Alto Networks Cortex XDR | 要問い合わせ | 統合型XDR、AI・行動分析、エンドポイント・クラウド・ネットワーク・アイデンティティのデータ統合、インシデント調査自動化 |
| Symantec Endpoint Security Complete | 要問い合わせ | 単一エージェント、適応型保護(Adaptive Protection)、EDR、Active Directory脅威保護、モバイル脅威防御、包括的な保護 |
| BlackBerry CylanceENDPOINT | 要問い合わせ | 予測型AI、EPP/EDR統合、XDR連携、CylancePROTECT・CylanceOPTICS包含、軽量エージェント、オフライン動作可能 |
上記の表から分かるように、公開価格を設定している製品では年額5,000円〜300,000円程度の範囲で端末単位の料金が設定されています。一方、大企業向けの高度な機能を持つ製品の多くは個別見積もり制を採用しており、企業の規模や要件に応じてカスタマイズされた価格が提示されます。 料金プランを選ぶ際には、まず自社のセキュリティ要件を明確にすることが重要です。管理対象端末数、必要な機能レベル、社内のセキュリティ運用体制、予算規模などを総合的に評価します。公開価格が設定されている製品は導入の見通しが立てやすい一方、個別見積もり制の製品はカスタマイズの自由度が高いという特徴があります。また、無料トライアル期間を活用して実際の操作性や機能を確認し、自社環境との適合性を検証することが推奨されます。複数製品の見積もりを比較する際は、初期費用だけでなく、年間の運用コストやサポート費用、将来的な拡張コストも含めた総所有コスト(TCO)で評価することが大切です。
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