Excelを使った日程調整のやり方！手順や注意点を理解して効率化しよう

会議や面談の日程調整は、多くのビジネスパーソンが日常的に行う業務の1つです。Excelを使えば、特別な費用をかけずにすぐ始められるうえ、多くの社員が慣れているため追加の教育も不要です。メール添付や共有フォルダで簡単に共有でき、必要に応じて印刷して回覧することも可能です。

本記事では、Excelを使った日程調整の具体的な手順や注意点を解説します。また、Excelから日程調整ツールに移行すべきタイミングなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

Excelで日程調整を行う手順

Excelは多くの企業で標準的に利用されているため、特別な準備をしなくてもすぐに日程調整を行えます。ここでは、実際の手順をステップごとに解説します。

①候補日を入力する

まずは候補日をExcelに入力しましょう。一般的には、A列に参加者名、B列以降に候補日を横並びで配置します。例えば、「12/15（月）10

候補は3〜5つ程度に絞ると、参加者が回答しやすくなります。また、日時に加えて会議室や開催形式（対面・オンライン）を併記しておけば、より正確でスムーズな回答を得られます。

②参加者リストを作成する

候補日とは別に、縦軸には参加者名を入力します。縦に参加者、横に候補日を配置する表形式がもっとも見やすい形です。参加者名に部署名を添えておくと、誰がどの部署の人なのかが一目でわかります。

さらに、必須参加者と任意参加者を色分けしたり、別欄で明記したりすると、調整の優先度がはっきりします。参加者が多い場合は、部署やチームごとにグループ分けして管理すると効率的です。

③参加可否を入力する

各セルには参加可否を入力します。一般的には以下の3段階で記入します。

• 〇：参加可能
• ×：参加不可
• △：条件付き参加可

さらに、条件付き書式を設定すれば、入力内容に応じて自動的に色分けでき、視覚的にとても見やすくなります。例えば、「〇＝緑」「×＝赤」「△＝黄色」と指定しておくと、一目で全体の参加状況を把握可能です。

④集計・確認する

全員の可否が入力できたら、次は最も多くの参加者が集まれる候補日を確認します。「〇」の数を自動集計するにはCOUNTIF関数を使うのが便利です。

例えば、以下のように入力すれば、範囲B2〜B10の中に入力された「〇」の数をカウントできます。

=COUNTIF(B2

参加人数が多いセルを条件付き書式で強調表示しておけば、最適な候補日を一目で把握できます。また、最終的に候補を絞る際は必須参加者の出欠を優先的に確認し、その上で任意参加者の人数を考慮すると、実務に即した調整が可能になります。

⑤結果を共有する

最終的に決まった日程は、メールやチャットで速やかに共有しましょう。その際は、日時だけでなく議題・会議室・持ち物などの詳細も添えて伝えると、参加者が準備しやすくなります。

また、必要に応じてExcelファイルを添付したり、印刷して配布したりするのも効果的です。特に印刷物は、デジタルツールに不慣れな参加者への配慮や、会議室に掲示して当日の確認用に活用できる点で有用です。

Excelで日程調整を行うメリット

続いて、Excelを使うことによる主なメリットを整理します。

コストをかけずに利用できる

Excelは多くの企業ですでに導入されているため、追加コストなしですぐに活用できる点が大きな魅力です。無料で手軽に始められるため、新しいツール導入時に発生するライセンス費用や運用・サポート費用といった負担を気にする必要がありません。

特に中小企業や予算が限られたプロジェクトでは、既存のリソースを最大限活用できます。初期投資を抑えつつ、まずは小規模に運用を始めたい場合に、Excelは非常に適した選択肢といえるでしょう。

汎用性が高くて誰でも使える

Excelは日常業務で広く使われているため、特別なトレーニングやマニュアルがなくてもスムーズに扱えます。新しいツールに不慣れな人でも安心して利用でき、導入直後からすぐに運用を始められる点が強みです。

また、世代や職種を問わず利用経験がある人が多いため、チーム内でスキル格差が生じにくいのもメリットです。ITリテラシーに差がある職場でも、Excelであれば誰もが対応しやすく、全員が参加しやすい日程調整を実現できます。

シンプルに候補日を一覧化できる

Excelでは、候補日を表形式で整理し、参加者の可否を入力するだけで簡単に調整表を作成できます。複雑な機能を覚える必要はなく、行と列を活用した直感的な構成により、誰が見てもすぐに内容を理解できます。

候補日の追加や削除も容易で、途中で変更があっても柔軟に対応可能です。さらに、印刷しても見やすいレイアウトを保てるため、デジタル利用はもちろん、紙での回覧や掲示にも適しています。シンプルな作りだからこそ、参加者にとっても回答しやすい形式といえるでしょう。

過去のテンプレートを流用できる

過去に作成した日程調整表を再利用すれば、ゼロから作る手間を省け、効率的に運用できます。特に業務フローが定着している企業では効果的です。

一度しっかりとしたフォーマットを作成しておけば、候補日や参加者名を差し替えるだけで新しい調整表が完成します。さらに、条件付き書式や集計用の数式を含めてテンプレート化しておけば、毎回の設定作業も不要です。

部署やチームごとに最適化したテンプレートを共有すれば、組織全体で日程調整業務を標準化でき、作業効率と正確性の向上につながります。

共有や印刷がしやすい

Excelファイルはメール添付や共有フォルダで簡単にやり取りできるほか、紙に印刷して回覧・掲示することも可能です。そのため、デジタル・アナログどちらの運用にも柔軟に対応できます。

ファイル形式が統一されているため、異なる環境でも開きやすく、互換性のトラブルが少ないのも利点です。また、印刷レイアウトの調整も容易で、A4サイズに収めたり必要な範囲だけを指定したりできます。

Excelで日程調整を行う際の課題

Excelは手軽に使える一方で、大人数や社外との調整では不便さが目立つ場面もあります。ここでは、企業担当者が実務で直面しやすい代表的な課題を整理して紹介します。

最新版の管理が難しい

Excelファイルをメールでやり取りすると、最新版の管理が難しくなるのが大きな課題です。更新ミスや二重管理が起きやすく、調整の混乱につながります。

特に複数人が同時に入力を進める場合、どのファイルが最新なのか判別しにくくなりがちです。「最新版」「確定版」といった名前を付けても、複数のバージョンが混在してしまうケースは少なくありません。

その結果、古い情報をもとに日程を決めてしまったり、誤った内容を参加者に伝えてしまったりするリスクが高まります。

リアルタイム共有ができない

Excelは複数人で同時編集するのが難しく、変更が反映されるまでにタイムラグが生じやすい点が課題です。その結果、意思決定が遅れる要因となります。

1人が編集中は他の人が更新できないため、大人数での調整では「順番待ち」が発生しやすくなります。また、変更点をメールなどで逐一共有する必要があるため、情報伝達の漏れや遅延も起こりがちです。

特に急ぎの調整や、時差のあるメンバーとのやり取りでは、この時間的制約が大きな障害となる可能性があります。

入力や集計に手間がかかる

参加者が多い場合、Excelでの入力や集計はどうしても時間がかかります。COUNTIF関数や条件付き書式を使えば効率化できますが、関数や設定に不慣れな人にとっては操作のハードルが高めです。

20人以上が関わる場合、全員分の入力を待つだけでも相当な時間を要します。さらに、集計結果を見て最適な日程を決める際には、単純に人数の多い日を選べばよいわけではありません。必須参加者や意思決定権を持つ人の予定を優先的に考慮する必要があり、単純な数値比較では判断できないケースも多くあります。

加えて、手作業による入力ミスや見落としが発生しやすく、その確認に余分な時間を取られてしまうのも大きなデメリットです。

セキュリティや誤送信のリスクがある

メール添付でExcelファイルをやり取りする場合、誤送信や外部流出のリスクは避けられません。特に採用面接や取引先との日程調整では、情報管理の観点から大きな問題となる可能性があります。

参加者の個人情報や社内の機密が含まれたファイルが、誤って別の相手に送信されてしまうリスクがあります。また、CcやBccの設定ミス、メール転送によって、関係のない第三者に情報が渡ってしまうケースも考えられます。

企業のコンプライアンスが厳格化する中、このような情報漏洩リスクを軽視することはできず、運用上の大きな課題といえます。

参加人数や日程が増えると煩雑になる

小規模な会議であればExcelでも十分対応できますが、数十人規模の参加者や複数の日程を扱う場合には限界が見えてきます。表が肥大化して管理が煩雑になり、全体を一度に把握できず、画面をスクロールしながら確認する必要が出てきます。

さらに、候補日が多くなると横に長い表になり、印刷時にレイアウトが崩れる問題も発生します。複数の会議を同時に調整する際にはファイル数自体が増え、管理負担も大きくなります。結果として視認性が悪化し、入力ミスや見落としが起こりやすくなるのが大きなデメリットです。

Excel以外の日程調整ツールを検討すべきタイミング

次のようなケースに当てはまる場合は、専用の日程調整ツールを導入することで効率化や安全性を大きく高められるでしょう。

参加人数が多い

Excelでの管理は10人程度までなら十分対応できますが、20人を超えると入力や集計が煩雑になり、効率が一気に落ちます。大人数になるほど全員の回答を待つ時間が長くなり、催促や確認作業も増えて手間がかかります。

また、参加者が多ければ多いほど候補日も増やす必要があり、表の構成が複雑化していきます。部署横断のプロジェクトや全社会議では30人、50人規模になることもあり、このようなケースではExcelでは限界が見えやすくなります。

社外関係者との調整が多い

社内での調整ならExcel共有でもある程度対応できますが、取引先や候補者など社外とのやり取りでは、セキュリティ面や更新スピードの点で不安が残ります。

特にExcelファイルを社外に送付する際には、機密情報が含まれていないか慎重な確認が必要です。さらに、相手企業のセキュリティポリシーによっては添付ファイルの受信自体が制限されているケースもあります。

採用面接の候補者や重要な取引先との調整では、単なるExcel共有では不十分であり、よりスマートかつ安全にやり取りできる方法を選ぶことが求められます。

複数の会議や長期的なスケジュールの調整が必要

単発の会議であればExcelでも十分対応可能ですが、数週間〜数か月先の予定や複数の会議を同時に調整するとなると、表が複雑になりすぎて管理が困難になります。

例えば、月次会議や四半期レビュー、年次イベントなどの定期的に開催される会議では、過去の履歴や次回予定を一緒に管理する必要があります。さらに、関連する複数の会議は、開催順序や間隔を考慮した調整が求められ、Excelの表形式では表現しきれないケースが多くなります。

更新・修正が頻繁に発生する

Excelは、変更があるたびに再送や再共有が必要となり、最新版の管理が難しいのが大きな課題です。参加者の予定変更や新しい候補日の追加、急な参加者の増減などが起こるたびにファイルを更新し、関係者に配布し直さなければなりません。

変更の頻度が高ければ高いほど、バージョン管理の負担は増大し、情報が混乱するリスクも高まります。

セキュリティを重視したい

採用面接や顧客との商談など、個人情報を伴う日程調整は特に慎重な対応が必要です。候補者の氏名や連絡先、面接官の情報、商談内容といった機密性の高い情報を扱う場合、メールでExcelファイルを共有する方法では安全性に不安が残ります。

日程調整ツールを活用して効率化しよう

Excelは小規模な会議や社内での簡単な調整には便利ですが、参加人数が増えたり社外とのやり取りが多くなると、手間やリスクが顕著になります。

そこで効果を発揮するのが専用の日程調整ツールです。入力・集計・共有といった作業を自動化できるため、業務効率を大幅に高められます。複雑化しがちな調整をシステムが代行してくれることで、担当者の負担が減り、確実かつスピーディーなスケジュール管理が可能になります。

自動集計で手間を削減できる

日程調整ツールを使えば、参加者の入力結果がリアルタイムで集計され、最適な候補日を即座に把握できます。Excelのように関数や条件付き書式を設定する必要がなく、担当者の作業負担を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。

参加者が回答するたびに自動で反映されるため、調整の進捗状況もリアルタイムで確認可能です。さらに、単なる人数集計だけでなく「必須参加者」「任意参加者」といった区分を設定できるツールもあり、精度の高い候補選定が可能になります。

また、結果はグラフや色分けで視覚的に表示されるため、一目で最適な日程を判断でき、効率的かつ確実な調整を実現できます。

URL共有でスムーズに回答を集められる

日程調整ツールでは、参加者は送られてきたURLを開き、ブラウザ上から回答するだけで完了します。メールでファイルをやり取りする必要がなくなるため、最新版管理の手間や誤送信リスクを解消できます。

また、スマートフォンからも手軽に回答できるため、移動中や外出先でも参加可否を入力してもらえます。主催者側は回答状況をリアルタイムで把握でき、未回答者への催促も効率的に行えます。さらに、回答期限の設定や自動リマインド機能を組み合わせれば、調整プロセス全体をスピーディーに進められます。

外部との調整も安心できる

日程調整ツールにはアクセス権限や認証機能が備わっているため、個人情報を扱うケースでも安全に運用できます。特に採用面接や取引先との会議など、厳格な情報管理が求められる場面で有効です。

パスワード保護やアクセスログの記録機能を利用すれば、セキュリティレベルを大幅に高められます。さらに、自社のセキュリティポリシーに適合したツールを選べば、コンプライアンスの観点からも安心感を得られます。

また、社外の参加者にとっても、信頼できる企業が提供する正式なサービスを通じた調整であれば、個人情報を安心して入力しやすい環境が整います。

カレンダーやチャットツールと連携できる

多くの日程調整ツールは、GoogleカレンダーやOutlook、Slackなどと連携でき、決まった日程をそのまま予定表に反映できます。これにより、調整から確定までを一気通貫で管理できるのが大きなメリットです。

会議が確定した瞬間に参加者全員のカレンダーへ自動で予定が追加されるため、手動で登録する手間が不要になります。さらに、会議前の自動リマインド送信や資料共有、会議室予約との連携など、日程調整以外の周辺業務も効率化可能です。

既存の業務ツールと親和性が高いため、新しいワークフローを覚える負担も少なく、スムーズに導入・定着させられるでしょう。

自社に最適な日程調整ツールを見つけるには？

日程調整ツールは、製品によって備わっている機能やサービスの幅が異なります。そのため、自社の導入目的や効果を考慮して選ぶことが大切です。

自社に最適な日程調整ツールを見つける際には「FitGap」をご利用ください。FitGapは、自社にぴったりの製品を選ぶための無料診断サービスです。簡単な質問に答えていくだけで、自社に必要なシステム要件が整理でき、各製品の料金や強み、注意点、市場シェアなどを知ることができます。

自社にぴったりの日程調整ツールを選ぶために、ぜひFitGapをご利用ください。

まとめ

Excelは、小規模な調整や社内で完結する会議においては非常に有効です。コストをかけずすぐに利用でき、多くの人が操作に慣れているため導入のハードルも低めです。テンプレートを活用すれば、継続的な効率化も期待できます。

一方で、参加人数が多い場合や社外関係者が含まれる場合は、専用の日程調整ツールを導入することで真価を発揮します。自動集計やURL共有による回答収集、カレンダー連携、セキュリティ強化などにより、業務効率を大幅に改善できます。

重要なのは、調整の規模や目的に応じて適切な方法を選ぶことです。社内メンバーのみで行う小規模な定例会議であればExcelで十分ですが、大規模プロジェクトや社外を含む重要な会議では専用ツールの方が安心です。

Excelとツールを状況に応じて使い分けることで、日程調整にかかる手間とストレスを最小化し、本来の業務に集中できる環境を整えられます。まずは現在の運用状況を振り返り、どちらの手段が最も適しているかを検討してみましょう。