2025.10.31

議事録作成にかかる時間の目安は？時間がかかる原因と短縮させる方法を解説

議事録の作成に想定以上の時間がかかり、他の業務に影響している担当者・企業も多いでしょう。会議後の議事録作成は重要なタスクですが、適切な時間配分や効率的な進め方を把握できていないケースも少なくありません。

本記事では、議事録作成にかかる平均的な時間の目安を紹介し、作業が長引く主な原因と具体的な時間短縮の方法を解説します。現在の業務プロセスを見直し、生産性を高めるための参考にしてください。

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議事録作成にかかる時間の目安とは？

まずは、一般的に議事録の作成にどの程度の時間がかかっているのかを把握することが大切です。所要時間を知ることで、自社の業務効率を客観的に評価し、改善点を見つけやすくなります。

議事録に関する意識調査

ソースネクスト株式会社が実施した「議事録に関する意識調査」によると、1回の議事録作成にかかる平均時間は約50.4分とされています。さらに、上司の約8割が「修正や修正依頼の手間が発生している」と回答しており、実際にはそれ以上の時間を費やしているケースも少なくありません。

議事録・発言録の作成業務調査

また、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の「議事録・発言録の作成業務調査」では、1週間あたり平均6.13時間を議事録作成に費やしているという結果が出ています。週5日勤務の場合、1日あたり約1.2時間（約70分）を議事録作成に充てている計算となり、想像以上に大きな業務負担であることがわかります。

議事録作成に時間がかかる原因

議事録の作成に時間がかかるのは、いくつもの要因が複雑に絡み合っているためです。原因を正しく把握すれば、どこに改善の余地があるのかを明確にでき、効率化のための具体的な対策を立てやすくなります。ここでは、議事録作成の時間を長引かせている主な要因を整理して見ていきましょう。

会議内容が整理されていない

会議の目的や議題が明確でないまま進行すると、議論が脱線したり、同じ内容が繰り返されたりして、後から内容を整理・要約するのに多くの時間がかかります。議題ごとに整理された構成がない場合、記録者は発言を追うだけで精一杯となり、要点をまとめる作業に余計な手間が発生してしまいます。

特に、発言が散発的で話題が頻繁に行き来する会議では、内容を整理して文章化するまでに相当な労力を要します。つまり、会議の進行が整理されていないほど、議事録作成の負担は比例して大きくなる傾向があるといえます。

メモや録音内容の整理に時間がかかる

会議中のメモが断片的だったり、録音データの確認に時間がかかったりすると、後から議事録をまとめる工程に大きな負担がかかります。特に、複数人が同時に話す場面や専門用語が多い会議では、発言者の特定や内容の整理が難しくなり、文書化に時間を要しがちです。

また、手書きメモだけに頼っている場合は、記録できる情報量に限界があります。一方で録音データに頼る場合でも、音質が悪かったり、複数の声が重なったりすると、聞き取りや確認作業に多くの時間を費やすことになります。結果として、記録精度の低さや情報整理のしづらさが、議事録作成の遅れを引き起こす要因となるのです。

フォーマットやルールが統一されていない

議事録の形式や書き方、表現ルールが統一されていないと、担当者ごとに内容や品質にばらつきが生じ、修正や確認の手間が増えてしまいます。結果として、完成までの時間が大幅に延びるケースが少なくありません。

組織内で議事録の書式や記載ルールが明確に定められていない場合、担当者は毎回「どの構成で書くべきか」「どの程度の詳細さでまとめるべきか」を判断しなければならず、そのたびに迷いが生じます。こうした不明確さは、作成時間の増加だけでなく、上司からの修正指示や再提出の発生率を高める要因にもなります。

確認・承認フローに時間がかかる

完成後の議事録を上長や関係者が確認する際に時間がかかることも、全体の作成時間を長引かせる大きな要因です。特に、複数の部門で共有する議事録や、記載内容の正確性が求められる重要会議の議事録では、レビュー工程が複雑化しやすくなります。

また、確認依頼や修正指示をメールでやり取りしている組織では、返信までに数日かかることも少なくありません。結果として、承認待ちの時間が積み重なり、議事録の完成や共有が大幅に遅れてしまうケースも多く見られます。

すべてを手作業で行なっている

録音データやメモを手作業で処理していると、どうしても作業効率が下がり、議事録の完成までに時間がかかってしまいます。効率化を支援するツールを導入していない場合、作業が属人的になりやすく、全体の負担が大きくなりがちです。

文字起こしから要約、フォーマット調整、共有に至るまでをすべて人の手で行うと、1件あたり1時間以上かかることも珍しくありません。特に、会議時間が長い場合や内容が複雑な場合は、確認や修正の工程も増えるため、さらに多くの時間と労力を要する傾向があります。

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議事録の作成時間を短縮する方法

議事録の作成時間を短縮するには、会議前・会議中・会議後の3つの段階で適切な工夫を取り入れることが重要です。それぞれのプロセスで無駄を減らし、効率的に進める仕組みを整えることで、全体の作業時間を大幅に削減できます。

特に、事前準備・記録方法・共有手順を見直し、テンプレートや専用ツールを活用することが効果的です。ここでは、日々の業務にすぐ取り入れられる、実践的で効果の高い時短の方法を紹介します。

会議前に目的・議題を明確にする

会議の前に、目的・議題・参加者を明確にし、記録すべき範囲を決めておくことが、効率的な議事録作成の第一歩です。あらかじめ不要な情報を省く方針を立てておくことで、後から内容を整理する手間を大きく減らせます。

また、事前に「今回の会議で決定すべき事項」「報告事項」「検討事項」を整理しておけば、議事録担当者は会議の流れをつかみやすく、記録の焦点を絞れます。さらに、各議題で想定される結論や次のアクションを予測しておくことで、会議中のメモ取りもスムーズになり、重要ポイントを的確に押さえた議事録を作成しやすくなります。

会議中にリアルタイムで記録する仕組みを作る

会議後に一から録音データを文字起こしすると、膨大な時間と労力がかかります。そのため、会議中にリアルタイムで記録する体制を整えることが、作業時間を大幅に短縮する鍵となります。

議題ごとに「決定事項」「課題」「担当者」「期限」などの項目をあらかじめ設けておくと、内容を整理しながら記録でき、後からの編集もスムーズです。

また、GoogleドキュメントやNotionなどの共同編集ツールを活用すれば、複数人で同時にメモを取ることも可能になります。これにより、記録担当者の負担を分散できる上に、記録漏れの防止にもつながります。

議事録テンプレートを標準化して使う

議事録を作成する際に、毎回ゼロから文章構成を考えるのは非効率です。「定例会議」「営業会議」「プロジェクト報告」など、会議の種類ごとにテンプレートを用意しておくことで、記録作業の手間を大幅に削減できます。

テンプレートには、日付・会議名・参加者・議題・要点・決定事項・今後の対応といった共通項目をあらかじめ設定しておくと便利です。こうした定型部分を事前に整えておけば、会議固有の内容を入力するだけで完成度の高い議事録を短時間で作成できます。

さらに、テンプレートをチームで共有しておくことで、記録の形式統一や品質のばらつき防止にもつながります。

作成後すぐに確認・共有まで行う

会議後に時間を空けてから議事録を作成すると、内容の記憶が薄れ、修正箇所を探す手間が増えてしまいます。そのため、会議終了直後にドラフト（第一稿）を完成させ、関係者とすぐに確認・共有することが理想的です。

例えば、「会議終了から30分以内に第一稿を仕上げる」といったルールを設けておくと、記憶が鮮明なうちに正確で質の高い議事録を作成できます。この習慣を徹底することで、後から修正や追記にかかる時間を大幅に削減できるでしょう。

役割分担で負担を分散させる

1人の担当者がすべての作業を担うと、時間も労力も過剰にかかってしまいます。特に内容が複雑な会議や重要な意思決定を伴う場では、複数人で役割を分担することで、記録の精度とスピードを両立できます。

例えば、メイン担当者が全体の流れや要点を記録し、サブ担当者が決定事項や数値データを中心に記録するといった方法が効果的です。また、録音専任の担当者を設けることで、記録担当者はリアルタイムの要約や整理に集中でき、結果として正確かつ短時間で議事録を仕上げられます。

定期的に作成プロセスを見直す

定期的に業務を振り返り、「どの工程で時間がかかったのか」「使用中のツールは適切に機能しているか」を分析することで、継続的な改善が可能になります。見直しのプロセスを繰り返すことで、議事録作成の効率化を一時的なものではなく、持続的な時短効果として定着させられます。

また、月に1回程度、議事録担当者同士で情報共有の場を設けるのも有効です。効率的な手法やツールの活用例を交換することで、組織全体にノウハウが蓄積され、議事録の品質と生産性を同時に高める仕組みを構築できます。

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議事録の作成時間を短縮するにはツールの導入が必須

議事録の作成時間を大幅に短縮するためには、手作業中心のプロセスから脱却し、議事録作成ツールを活用した自動化・効率化を進めることが不可欠です。特に、文字起こしや要約、フォーマット整形といった作業を自動化できれば、担当者の負担を大幅に軽減できます。

ここでは、議事録作成ツールを導入することで、なぜ作業時間を短縮できるのかを、具体的な理由とともに解説します。

録音データを自動で文字起こしできる

議事録作成ツールの多くには、AI音声認識機能が搭載されており、会議の録音データをリアルタイム、または録音後に自動でテキスト化できます。この機能を活用すれば、議事録の下書き（素文）作成にかかる時間をほぼゼロに近づけることが可能です。

手作業による文字起こしでは、1時間の会議内容を文字化するのに3〜4時間かかることも珍しくありません。しかし、AI音声認識を利用すれば、数分から数十分で全体のテキスト化が完了します。

さらに近年では、専門用語や固有名詞の認識精度が大きく向上しており、学習機能によって企業ごとの用語にも対応できるツールが増えています。

自動要約・重要箇所抽出で整理時間を短縮できる

議事録作成ツールの中には、AIが発言内容を解析し、「決定事項」「課題」「アクション項目」「次回検討事項」といった要素を自動で分類・要約できる機能を備えたものもあります。

この機能を活用すれば、人手で会話内容を整理・要約する工程を大幅に省くことができ、会議内容の構造化が瞬時に完了します。担当者は、AIが生成した要約を確認・修正するだけで済むため、作成プロセス全体の時間を大きく短縮できます。

特に、長時間の会議や複数の議題を扱う会議では、この自動要約機能が発揮する効果は非常に大きく、作業効率を飛躍的に高めることが可能です。

テンプレート化により文章構成を考える手間がなくなる

議事録作成ツールには、あらかじめ「定例会議」「営業会議」「取締役会」など、用途に応じたテンプレートが用意されていることが多く、毎回ゼロからフォーマットを作成する必要がありません。

入力欄に沿って内容を補うだけで自然と完成形に近づくため、構成の検討や書式の調整にかかる時間を大幅に削減できます。また、組織のルールや会議の種類に合わせてテンプレートを自由にカスタマイズできるツールを選べば、実務に即した柔軟な運用が可能となり、議事録作成の効率と品質を同時に高められます。

複数人で同時編集・確認できる

議事録作成ツールでは、リアルタイムで複数の担当者が同じ文書を同時に編集できます。確認や修正を同時進行で行えるため、その場で修正・確認を完了でき、最終版の共有までスムーズに進められます。

さらに、コメント機能やチャット機能を併用すれば、修正の意図や背景を即時に共有でき、コミュニケーションコストの削減にもつながります。

修正・共有までの作業を一元化できる

議事録作成ツールを導入すれば、作成から共有・保存までの流れを1つのシステム上で完結させられます。これにより、ファイルのやり取りやバージョン管理、配布の手間を削減でき、「作る・直す・配る」という全工程で大幅な時間短縮が可能です。

さらに、共有先の閲覧履歴を自動で管理できる機能を備えたツールも多くあります。「誰がいつ確認したか」「どの関係者が未確認か」を一目で把握できるため、フォローアップの効率が向上し、確認漏れの防止にもつながります。

過去の議事録を検索・再利用できる

議事録作成ツールでは、過去の会議データを蓄積・検索できるため、同様の議題に関する内容を再利用でき、作成の手間を大幅に削減できます。前回の議事録を参照しながら要点を引き継ぐことで、ゼロからまとめ直す必要がなく、リピート会議の作業時間を大幅に短縮できるのが大きなメリットです。

特に、月次定例会議や四半期レビューなどの定期的な会議では、前回の課題や進捗をスムーズに振り返ることができ、議事録の一貫性や精度も維持できます。また、高度な検索機能を備えたツールであれば、特定のプロジェクトや担当者に関する過去の決定事項やアクション履歴もすぐに確認でき、業務全体の情報活用効率を高められます。