【社内向け】安否確認メールの例文・テンプレート!災害時の迅速な対応方法を解説
安否確認メールは、災害時に従業員の無事を確認するための重要な連絡手段の1つです。適切な文面とタイミングで送信することで、混乱状況下でも確実に情報を収集し、次の対応につなげられます。
本記事では、安否確認メールの例文や開封率を高めるコツを紹介します。災害時の初動対応に必要な情報を網羅的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
安否確認メールを送るタイミングと対象者
災害発生時に効果的な安否確認を行うためには、「いつ」「誰に」メールを送信するかを事前に明確にしておくことが重要です。適切なタイミングと対象範囲を設定することで、必要な情報を漏れなく収集できます。
安否確認が必要となるケース
安否確認メールの送信が必要になる主なケースは以下の通りです。
・地震・震度4以上の揺れが観測された場合
震度4以上の地震が発生した際は、建物の損傷や交通機関への影響が生じる可能性があります。特に震度5弱以上では、負傷者が発生する恐れもあるため、迅速な安否確認が必要です。
・台風・大雨による警報発令時
気象庁から暴風警報や大雨特別警報が発令された場合、通勤・帰宅困難や浸水被害のリスクが高まります。従業員の所在確認と安全確保のため、警報発令と同時に安否確認を開始します。
・感染症の流行・パンデミック発生時
新型インフルエンザや新型コロナウイルス(COVID-19)のような感染症が流行した際は、従業員の健康状態確認と濃厚接触者の把握が必要です。発熱や体調不良の有無、勤務可能状況を定期的に確認します。
・大規模停電・通信障害発生時
広域停電や通信インフラの障害が発生した場合、通常の連絡手段が使えなくなる可能性があります。復旧次第、速やかに安否確認を実施し、業務再開の可否を判断します。
・テロ・事件発生時
テロ事件や大規模事故が発生した際は、従業員が巻き込まれていないかの確認が急務です。事件現場周辺にいた可能性のある従業員を中心に、安否確認を行います。
対象となる従業員・関係者
安否確認の対象範囲は、災害の規模や影響範囲に応じて適切に設定する必要があります。
・全社員対象のケース
震度5強以上の大地震や、全国的な感染症流行、本社所在地での大規模災害時などは、全従業員を対象とした一斉安否確認を実施します。正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員・契約社員も含めて確認することが重要です。
・特定拠点・地域限定のケース
局地的な災害や地域限定の警報発令時は、該当地域の拠点に勤務する従業員のみを対象とします。支店・営業所ごとに分けて管理することで、効率的な確認作業が可能です。
・出張・外勤中の従業員
災害発生時に出張や外回り営業で社外にいる従業員は、所在地に関わらず安否確認の対象に含めます。特に災害多発地域への出張者は、優先的に確認を行います。
・退職者・関係者への配慮
直近で退職した元従業員や、社内イベント参加中の家族も、状況に応じて安否確認を検討します。ただし、個人情報保護の観点から、事前の同意取得が必要です。
安否確認メールの基本構成
安否確認メールは、受信者が迅速かつ正確に回答できるよう、必要な情報を整理して記載することが重要です。基本的な構成要素を理解し、わかりやすいメール作成を心がけましょう。
・件名
件名は「【緊急】安否確認のお願い(〇〇地震)」のように、緊急性と内容が一目でわかるものにします。日付や災害名を含めることで、複数回送信した際の識別も容易になります。
・宛名と差出人
宛名は「〇〇部 各位」または個人名で記載し、差出人は「株式会社〇〇 総務部 △△」のように部署と担当者名を明確にします。信頼性を高めるため、社内ドメインから送信するようにします。
・状況説明と確認目的
本文の冒頭で災害の概要と安否確認を行う理由を簡潔に説明します。「本日〇時頃に発生した地震により、皆様の安全確認を行っております」といった具合に、必要最小限の情報に留めます。
・回答項目
確認したい項目を番号付きで箇条書きにし、選択肢形式で回答しやすくします。「①氏名」「②現在地」「③安否状況(無事・軽傷・重傷)」のように、具体的な記入例を示すことが効果的です。
・回答期限と連絡先
「〇日〇時までに返信をお願いします」と明確な期限を設定し、緊急時の連絡先電話番号も併記します。メール以外の連絡手段も用意しておくことで、通信障害時にも対応できます。
【シーン別】安否確認メールの例文・テンプレート
災害の種類によって確認すべき内容や注意点が異なるため、テンプレートを用意しておくことで、緊急時にも迅速な対応が可能になります。ここでは、安否確認メールのテンプレートをシーン別に紹介します。
地震発生時の安否確認メール
件名:【緊急】安否確認のお願い(○○地震発生)
○○部 各位
お疲れ様です。株式会社○○ 総務部の△△です。
本日○時○分頃に発生した地震により、皆様の安全確認を行っております。
以下の項目にご回答の上、○日○時までに返信をお願いいたします。
【回答項目】
- 氏名:
- 現在地:
- 安否状況:○ 無事 / × 軽傷 / × 重傷
- 建物被害:○ なし / × あり(詳細: )
- 出社可否:○ 可能 / × 困難(理由: )
- 緊急連絡事項:
【緊急連絡先】
総務部:000-0000-0000(△△)
株式会社○○ 総務部 △△
地震発生時は、建物被害の確認と出社可否の判断に重点を置きます。余震への注意喚起も含めると親切です。交通機関の運行状況により出社困難な場合も考慮し、在宅勤務の指示も併記することがあります。
台風・大雨発生時の安否確認メール
件名:【緊急】安否確認のお願い(台風○号接近)
各位
お疲れ様です。株式会社○○ 総務部の△△です。
台風○号の接近に伴い暴風警報が発令されており、皆様の安全確認を行っております。
以下の項目にご回答の上、○日○時までに返信をお願いいたします。
【回答項目】
- 氏名:
- 現在地:
- 安否状況:○ 安全な場所にいる / × 危険な状況
- 浸水被害:○ なし / × あり(詳細: )
- 避難状況:○ 自宅待機 / × 避難所等に避難中
- 明日の出社:○ 可能 / × 困難(在宅勤務希望)
気象状況の変化にご注意いただき、安全第一で行動してください。
【緊急連絡先】
総務部:000-0000-0000(△△)
株式会社○○ 総務部 △△
台風・大雨時は、浸水被害と避難状況の確認が重要です。翌日の出社可否は、交通機関の復旧状況を考慮し、在宅勤務の選択肢も提示します。
感染症流行時の安否確認メール
件名:【重要】健康状態確認のお願い(新型○○感染症関連)
各位
お疲れ様です。株式会社○○ 総務部の△△です。
新型○○感染症の流行拡大を受け、皆様の健康状態確認を行っております。
以下の項目にご回答の上、○日○時までに返信をお願いいたします。
【確認項目】
- 氏名:
- 体温: ℃(測定日時: )
- 症状:○ なし / × あり(詳細: )
- 濃厚接触:○ なし / × 可能性あり
- PCR検査:○ 未実施 / × 実施済み(結果: )
- 出社可否:○ 可能 / × 在宅勤務希望 / × 休暇取得
体調に変化がありましたら、すぐにご連絡ください。
【緊急連絡先】
総務部:000-0000-0000(△△)
株式会社○○ 総務部 △△
感染症流行時は、体温や症状の詳細確認と濃厚接触の有無を重視します。プライバシーに配慮しつつ、必要な情報を収集することが重要です。
大規模停電・通信障害時の安否確認メール
件名:【緊急】安否確認のお願い(停電・通信障害発生)
各位
お疲れ様です。株式会社○○ 総務部の△△です。
大規模停電の発生により通信障害が生じており、皆様の安全確認を行っております。
このメールを受信された方は、以下の項目にご回答をお願いいたします。
【回答項目】
- 氏名:
- 現在地:
- 安否状況:○ 無事 / × 困っている
- 電源確保:○ 可能 / × バッテリー残量少
- 通信手段:○ メール可 / × 電話のみ可 / × 通信困難
- 帰宅可否:○ 可能 / × 困難(理由: )
返信が困難な場合は、復旧後に改めて連絡いたします。
【緊急連絡先】
総務部:000-0000-0000(△△)
株式会社○○ 総務部 △△
停電・通信障害時は、通信手段の制約があるため、可能な限り簡潔にまとめます。バッテリー残量や通信環境の確認で、追加連絡の必要性を判断します。
テロ・事件発生時の安否確認メール
件名:【緊急】安否確認のお願い(○○地区事件発生)
各位
お疲れ様です。株式会社○○ 総務部の△△です。
○○地区で発生した事件により、皆様の安全確認を行っております。
該当地域にいらっしゃる方は、以下の項目にご回答をお願いいたします。
【回答項目】
- 氏名:
- 現在地:
- 安否状況:○ 安全な場所にいる / × 危険な状況
- 事件現場との距離:○ 離れている / × 近い
- 移動状況:○ 安全に移動可能 / × 移動困難
- 警察・消防との接触:○ なし / × あり
安全確保を最優先に、無理な移動は避けてください。
【緊急連絡先】
総務部:000-0000-0000(△△)
株式会社○○ 総務部 △△
テロ・事件発生時は、現場との距離や移動の安全性を重視します。警察・消防との接触状況も確認し、二次被害防止に努めます。
安否確認メールのポイントと開封率を高めるコツ
安否確認メールの効果を最大化するためには、送信時の工夫が必要です。災害時の混乱状況下でも確実に情報が伝わる仕組みを整えることで、迅速な安否把握が実現できます。
件名を工夫して開封率を高める
件名は、メールを開くかどうかを左右する重要な要素です。緊急性と信頼性が一目で伝わるように、以下のポイントを意識しましょう。
- 「【緊急】」「【至急】」「【重要】」などの緊急度を示すワードを件名の最初に入れる
- 【】や◆、★などの全角記号を使用して視認性を向上させる
- 「〇〇地震」「台風〇号」など具体的な災害名を含める
- スマートフォンでの表示を考慮し、件名は30文字程度に収める
部署と担当者名を明記して信頼感を高める
メールの送信者が不明だと、迷惑メールと誤認される可能性があります。信頼できる情報源からの連絡であることを明確に示すことが重要です。
- 「株式会社〇〇 総務部△△」のように、会社名・部署名・担当者名を一貫した形式で表示する
- メール本文の署名欄と差出人名の表記を一致させる
- 「@company.co.jp」のような社内ドメインから送信する
- 平時から「緊急時連絡担当者」を社内に周知しておく
要点を端的に・回答方法を明確にする
災害時は受信者も焦っているため、複雑な内容や長文は逆効果です。必要な情報だけを簡潔に伝えることが重要です。
- あいさつ+状況説明(簡潔に)→安否確認の目的とお願い→回答すべき項目(番号付きで箇条書き)→回答期限→署名(連絡先つき)の順序で構成する
- 「いつもお世話になっております」「ご多忙の中恐縮ですが」などの長い前置きは省略して、すぐに本題に入る
- 回答項目は番号を振り、選択肢は「〇」「×」で明確に示す
- 「BCP」「リスクマネジメント」など、一般従業員に馴染みのない用語は使わず、誰にでもわかる表現を心がける
返信しやすいフォーマットを用意する
回答しやすいフォーマットを用意することで、返信率の向上につながります。受信者の負担を最小限に抑える工夫が重要です。
- 「1. 氏名:」「2. 現在地:」のように、そのままコピーして記入できる形式にする
- 記入ミスを減らし、回答時間を短縮するために、「〇 無事/× 軽傷/× 重傷」のような選択肢形式にする
- 「回答所要時間:約1分」といった目安を冒頭に記載することで、心理的ハードルを下げる
- 各項目に具体的な記入例を示すことで、迷わず回答できるようにする
適切なタイミングで送信する
災害発生から時間が空くほど、情報の信頼性も薄れ、従業員の不安も増大します。安否確認メールは災害対応の最優先事項として位置づけ、適切なタイミングでの送信が重要です。
- 安全が確保され次第、可能な限り迅速に送信する
- 深夜や早朝の送信は避ける、通信混雑時を考慮するなど、受信環境を考慮したタイミング調整を行う(緊急度が高い場合は時間帯に関わらず送信する)
- 第一報は簡潔な安否確認、第二報で詳細情報収集というように、段階的にアプローチする
- 未返信者への再送信は「個別対応」とし、全員への一斉再送信は避ける
安否確認メールの訓練をしておく
非常時に備え、平時から訓練やサンプル送信を行っておくと、実際の安否確認メールの開封率・返信率は大きく向上します。
- 年1〜2回、社内全体で安否確認メールの送受信訓練を実施する
- 訓練時のメール開封率、返信率、回答所要時間などを分析し、改善点を洗い出す
- 安否確認メールの受信・返信手順をマニュアル化し、全従業員に周知する
- 訓練後は参加者からフィードバックを収集し、メール文面や回答項目の改善に活用する
安否確認システムを導入して運用を効率化しよう
安否確認メールは手軽に始められる一方で、手作業での送信・集計・再送信などに手間がかかり、緊急時には情報伝達の遅れや返信漏れといった課題も発生しがちです。トラブルを防ぎ、安否確認を確実かつ効率的に行うためには、安否確認システムの導入が有効です。
安否確認メールのよくある課題
以下のように、安否確認メールには手動運用特有の問題が存在します。
・送信管理
従業員リストの手動管理により、配信ミスや送信漏れが発生するリスクがあります。退職者への誤送信や新入社員への送信漏れなど、人事情報の更新タイミングによる問題も起こりがちです。
・通信環境
災害時は通信回線が混雑し、メールが届かない・読まれない可能性があります。特に携帯電話回線の場合は、基地局の被災により長時間の通信障害が発生することもあります。
・集計作業
回答内容をExcelなどで手作業集計する場合、時間がかかり、入力ミスも発生しやすくなります。数百人規模の企業では、集計だけで数時間を要することも珍しくありません。
・フォローアップ
未回答者の抽出と個別フォローアップに多大な時間と労力がかかります。誰に再送信したか、何回連絡したかといった履歴管理も煩雑になりがちです。
・情報把握
現在の回答状況や安否不明者の把握が困難で、意思決定に必要な情報を迅速に取得できません。リアルタイムでの状況把握ができないことが、初動対応の遅れにつながります。
安否確認システムの主な機能とメリット
上記の課題やトラブルを防げるよう、安否確認システムには緊急時に迅速かつ確実に従業員の安否を把握するための機能が備わっています。
・一斉送信機能
SMS・メール・アプリ通知を同時に配信できるため、通信手段の分散により到達率が向上します。1つの通信手段が使えなくても、別の手段で確実に情報を伝達できます。
・自動集計機能
回答結果をリアルタイムで可視化し、ダッシュボード形式で状況を把握できます。回答状況を即時把握することで、迅速な意思決定と次のアクションにつなげられます。
・再通知機能
未回答者のみに自動でリマインド送信を行うため、手動での再送手間を大幅に削減できます。設定した時間間隔で自動的に再通知が送られるため、担当者の負担も軽減されます。
・位置情報取得機能
GPSで現在地を自動送信(許可制)することで、避難の必要性や支援対象の判断に役立ちます。特に外勤者や出張中の従業員の所在確認に威力を発揮します。
・テンプレート設定機能
災害ごとに事前に質問内容を登録できるため、迅速な対応とミス防止につながります。地震用、台風用、感染症用など、シーン別のテンプレートを用意しておけます。
安否確認メールとの違い
メールのみの運用と安否確認システムの導入では、情報伝達のスピード・正確性・集計性に大きな違いがあります。
| 項目 | メール運用 | 安否確認システム |
|---|---|---|
| 一斉送信 | 手動対応 | ワンクリックで一斉配信 |
| 集計作業 | Excelなどで手作業 | 自動でリアルタイム集計 |
| 再通知 | 手動対応 | 未回答者に自動リマインド |
| コスト | 低コストだが手間が多い | 導入費用が必要だが高効率 |
| 安否確認スピード | 数時間~半日 | 数分~数十分で完了も可能 |
安否確認システムの導入が特におすすめな企業
次のような条件に当てはまる企業では、安否確認システムの導入によって業務の確実性と効率性が大きく向上します。
・従業員数が多い企業
100名を超える規模の企業では、手動での安否確認に限界があります。特に500名以上の企業では、安否確認システム導入による効率化効果は絶大です。
・多拠点展開企業
本社・支店・営業所が全国に点在している企業では、各拠点の状況を一元管理する必要があります。拠点ごとの被災状況や復旧状況を瞬時に把握できるメリットは大きいです。
・24時間稼働企業
製造業や医療機関、インフラ関連企業など、夜間や休日にも緊急事態が発生する可能性がある企業では、迅速な安否確認体制が不可欠です。
・コンプライアンスを重視する企業
BCP対策やISMS認証、上場企業の内部統制など、体制強化が求められる企業では、確実性の高い安否確認システムが必要です。
・建設・運輸業界
現場作業者や運転手など、常に移動している従業員が多い業界では、位置情報機能が特に有効です。
自社に最適な安否確認システムを見つけるには?
安否確認システムは、製品によって備わっている機能やサービスの幅が異なります。そのため、自社の導入目的や効果を考慮して選ぶことが大切です。
自社に最適な安否確認システムを見つける際には「FitGap」をご利用ください。FitGapは、自社にぴったりの製品を選ぶための無料診断サービスです。簡単な質問に答えていくだけで、自社に必要なシステム要件が整理でき、各製品の料金や強み、注意点、市場シェアなどを知ることができます。
自社にぴったりの安否確認システムを選ぶために、ぜひFitGapをご利用ください。
まとめ
安否確認メールは、災害時の初動対応において重要な役割を果たす連絡手段です。適切なタイミングでの送信、わかりやすいメール構成、シーン別のテンプレート活用により、迅速な安否把握が実現できます。
一方で、従業員数の増加や事業拠点の拡大に伴い、メール運用だけでは限界があることも事実です。特に、手作業による集計の負担や、通信障害時の対応困難、リアルタイムでの状況把握の難しさなどの課題に直面している企業では、安否確認システムの導入がおすすめです。
安否確認システムを導入することで、安否確認メールの手間・限界をカバーしながら、より確実でスピーディーな安否確認体制を構築できます。
自社の規模や業界特性、予算に応じて、メール運用の改善から安否確認システムの導入まで、段階的なアプローチで最適な安否確認体制を検討してみましょう。従業員の安全確保と事業継続の両立を目指し、災害に強い組織づくりを進めることが重要です。
サービスカテゴリ
AI・エージェント
ソフトウェア(Saas)