複数の倉庫や配送センターを持つ物流企業では、タブレット対応のSCMが活躍します。現場の担当者が倉庫内を移動しながら在庫の確認や入出庫の記録をタブレットで行えます。重たいノート型パソコンを持ち歩く必要がなく、片手で端末を持ちながらもう片方の手で商品を扱えます。棚の前で立ったまま在庫数を入力したり、バーコードを読み取ったりする作業がスムーズに進みます。

製造ラインを持つ工場では、各工程の進捗状況をリアルタイムで把握する必要があります。タブレットを使えば、作業員が製造ラインを巡回しながら各工程の状態を記録できます。機械の近くや作業台の横など、限られたスペースでも場所を取らずに操作できる点が便利です。手袋をしたままでも画面の大きなボタンを押しやすく、騒音の多い環境でも視覚的に情報を確認できます。

Webブラウザで利用するタイプは、タブレットの標準ブラウザからシステムにアクセスして利用します。アプリをインストールする必要がないため、端末の容量を気にせず使える利点があります。更新作業も提供側が行うため、利用者は常に最新の機能を使えます。ただし、通信環境が不安定な場所では動作が遅くなる場合があります。画面の表示サイズがタブレットの画面に最適化されているかを確認する必要があります。

専用アプリで利用するタイプは、アプリストアからダウンロードしてタブレットにインストールします。タブレット特有の操作方法に最適化されており、カメラ機能やバーコードリーダーとの連携がスムーズです。通信が途切れた状態でも一部の機能を使えるオフライン対応のものもあります。アプリの更新は定期的に行う必要があり、古いバージョンのタブレットでは動作しない場合があります。

総合型のSCMタイプは、調達から販売までの全工程を1つのシステムで管理します。在庫管理、発注管理、配送管理、需要予測など幅広い機能を備えています。各部門の情報が連携しているため、全体の流れを把握しやすくなります。一方で、機能が多いため画面の切り替えが複雑になることがあり、タブレットの小さな画面では操作に慣れるまで時間がかかる場合があります。