McNeel & Associatesが提供するデザインソフトです。RhinoはNURBSベースの3Dモデリングを得意とするソフトウェアで、製造業の意匠設計をはじめ、建築、ジュエリー、プロダクトデザインなど幅広い分野で活用されています。曲面モデリングの精度と自由度の高さは業界トップクラスで、複雑な自由曲面を持つ製品の初期検討から量産前の詳細設計まで、一貫して対応できるのが大きな特長です。また、PythonやGrasshopperを使ったパラメトリックモデリングや自動化機能も充実しており、ビジュアルプログラミングやスクリプトで独自ツールを作りやすいため、ワークフローを柔軟にカスタマイズできます。 AI機能については、標準のモデリング機能に加えて、形状の自動生成や最適化を行う外部AIサービスとの連携プラグイン、形状認識や自動配置をサポートする拡張機能が豊富に用意されており、AIの力を積極的に活用したいユーザーにも適しています。大規模なPLM連携が必要なハイエンドCADと比べると、「高精度な自由曲面+高い拡張性+AI連携」を重視する中小から大企業の設計部門、デザインファーム、建築スタジオに特にマッチします。個人デザイナーやスタートアップでも導入しやすいライセンス形態と、学習コストのバランスが取れた選択肢といえるでしょう。

Graphisoftが提供するデザインソフトです。ArchiCADは、BIM（Building Information Modeling）に特化した設計プラットフォームで、意匠設計から詳細設計、さらには施工段階の情報連携まで一気通貫で扱えるのが特長です。直感的な操作でモデリングでき、図面や数量が自動で連携するため、平面図・断面図・3Dモデルを統合的に管理できます。日本国内でも建築設計事務所やゼネコンを中心に導入が進んでいます。 AI機能の観点では、「AI Visualizer」を搭載しており、BIMモデルをベースにテキストプロンプトからフォトリアルな画像を生成できます。基本設計やコンセプト段階でのイメージ共有に役立つ機能です。専用GPUがないマシンでもクラウド側でAI処理を行えるため、導入ハードルが低く、BIMモデルとAIビジュアライズが一体化している点が他の画像生成サービスにはない強みとなっています。また、グラスホッパーと連携したパラメトリック設計やジェネレーティブデザインの検討、LCA（ライフサイクルアセスメント）連携など、外部ツールやAIを組み合わせた柔軟なワークフロー構築も可能です。設計の自由度と業務の自動化をバランスよく実現したいと考える、中堅から大企業の設計部門はもちろん、中小規模の事務所まで幅広く対応できる製品です。

Quark Software Inc.が提供するデザインソフトです。QuarkXPressは、長年DTP業界で信頼されてきたレイアウトツールで、カタログや雑誌、書籍、チラシといった印刷物から、Webやモバイルのデジタルコンテンツまで、ひとつの環境で作れるのが魅力です。タイポグラフィやマスターページ、スタイルシート機能が充実しているので、ブランドガイドラインに沿った紙媒体の量産や、多言語展開が必要な制作現場で重宝されています。最近では画像編集やベクター編集の機能も統合され、写真やイラストとの連携もスムーズになりました。 AI機能については、画像生成や自動レタッチのようなビジュアル系AIより、むしろ「高度な自動化」に力を入れているのが特徴です。テキストの自動流し込みや条件付きスタイル、コンテンツを再利用しやすくするモジュール管理など、長文ドキュメントや多ページのレイアウトで作業効率を上げ、デザインの一貫性を保つことを重視しています。テンプレート運用やスタイルの自動適用といった"準AI的"なサポートが強みです。 ページ数の多い制作物を扱う制作会社や、企業のインハウスチーム、特に中堅以上の企業の出版・マーケティング部門に適していますが、小規模でスタートしたい中小企業やフリーランスのデザイナーにも十分活用できるソフトです。