Alludo（旧Corel）が提供するデザインソフトです。CorelDRAW Graphics Suiteは、ロゴやパンフレットから大型サイン、パッケージデザインまで幅広く対応できる統合グラフィック環境で、ベクターデザインとレイアウト機能を一つのツールで扱える点が魅力です。他のソフトと比べると、ペンツールや曲線編集の動きが軽快で、ノード編集・輪郭線・塗りを細かくコントロールできるため、印刷物やサインなど実際の制作現場で使いやすいワークフローを組めます。フォント管理やカラーマネジメントもスイート内で完結し、DTP作業での色の再現性にも配慮されたUIです。工業デザインの観点では、精密なガイド・グリッド・スナップ機能に加え、寸法線や注記ツールが充実しているため、製品図面風の意匠案や筐体グラフィック、操作パネルのレイアウトなどをスピーディに検討できます。一般的なクリエイティブ用途はもちろん、製造業やサイン・看板業といった「現場に近い」デザイン業務との相性が良く、中小企業から大企業のデザイン部門・製造部門に適した選択肢です。フリーランスや個人事業主にも導入しやすいライセンス体系が用意されています。

Autodeskが提供するデザインソフトです。3ds Maxは、映像・ゲーム・建築ビジュアライゼーション分野で磨かれた高度なモデリングとレンダリング機能を持ち、工業デザインの現場でも優れた表現力と生産性を発揮する3Dソフトウェアです。他の3Dツールと異なる大きな特徴は、ポリゴン・スプライン・NURBSといった多彩なモデリング手法と、きめ細かなメッシュ編集機能が一つの環境にまとまっている点です。これにより、試作前のデザイン検討から、マーケティング用のリアルな製品画像まで、一貫した制作フローを実現できます。 レンダリングでは、物理ベースレンダラーや各種プラグインを活用することで、金属・プラスチック・ガラスなど工業製品によく使われる素材を美しく表現できます。フォトリアルなプロダクトビジュアルを効率よく仕上げられる点は、同クラスのソフトと比べても優位性があります。さらに、充実したアニメーション機能を使えば、製品の可動部や組み立て工程、実際の使用シーンなど、プレゼンテーション性の高いコンテンツも制作可能です。 Autodesk製CADをはじめ、他の3Dツールとの連携性の高さも見逃せません。設計データをスムーズに読み込み、レンダリング用に調整できる点は、特に中堅から大企業の製造業で高く評価されています。日本語環境や学習教材も充実しており、デザイン事務所や中小メーカー、学生や個人クリエイターまで幅広く使えます。工業デザインにおいて、意匠検討とビジュアライゼーションを一体で進めたい企業に適した選択肢です。

Maxonが提供するデザインソフトです。ZBrushは3Dスカルプト（デジタル彫刻）に特化したハイエンドツールで、粘土をこねるような直感的な操作感が最大の魅力です。一般的なポリゴンモデラーでは難しい数千万ポリゴン級の高精細モデルも軽快に扱えます。豊富なブラシとカスタマイズ性により、有機的なキャラクターからハードサーフェスの細かなディテールまで、これ1本で造形を完結できるのが強みです。 国内では映画・ゲーム・フィギュアなどのキャラクター制作で幅広く使われており、主要な3DCGツールやゲームエンジンとの連携も整っているため、既存の制作環境にスムーズに導入できます。アニメーションやレンダリング機能はシンプルですが、その分スカルプトとペイント機能に特化しており、造形ツールとしての完成度は群を抜いています。 プロダクションやメーカーなど中堅〜大企業での標準採用が多い一方で、個人クリエイターや小規模スタジオ向けライセンスも用意されており、規模を問わず選びやすい製品です。工業デザインの現場では、意匠検討用のモックアップやコンセプトモデル制作で威力を発揮します。CADでは表現しにくい感性的な造形を短時間で試せる点が、他のツールにはない大きなアドバンテージとなっています。

Robert McNeel & Associatesが提供するデザインソフトです。RhinoはNURBSベースの3Dモデラーで、サーフェスの精度と造形の自由度をバランスよく両立しており、工業デザインで求められる複雑な曲面形状を得意としています。一般的な3DCADと比べて操作が直感的なため、デザイン初期段階の「形を素早く試したい」という段階から、エンジニアリング部門に引き渡せる精度の高いモデルまで、一貫して対応できるのが大きな特長です。各種CADフォーマットやレンダラーとの互換性が高く、既存のPLM・製造プロセスにも組み込みやすいため、ツール間の連携もスムーズに行えます。 工業デザインの現場では、家電・自動車・家具・スポーツ用品といった意匠設計で広く使われています。意匠検討用のスタイリングモデルから、金型設計に近いレベルのサーフェス調整まで、ひとつの環境で完結できるワークフローを組みやすいのが魅力です。また、スクリプトやプラグインによる拡張性にも優れ、パラメトリックデザインやアルゴリズムデザインを取り入れた形状検証も可能です。従来のCAD中心の環境では難しかった造形表現の幅を広げたい企業に適しています。導入先としては、デザイン事務所や中堅メーカーのインハウスデザイン部門、大企業のR&D・デザインセンターまで幅広く対応し、個人デザイナーやスタートアップにも扱いやすいライセンス体系と運用性を備えています。