店舗や営業所など複数の拠点を持つ企業では、タブレット対応のシステムが効果を発揮します。エリアマネージャーが各拠点を巡回する際に、タブレットを持参すれば現場で従業員情報をすぐに確認できます。店長面談の場面では、タブレット画面を一緒に見ながら評価内容や育成計画を話し合えるため、コミュニケーションが円滑になります。オフィスに戻る時間を削減できるため、より多くの拠点を効率的に管理できるようになります。

工場や倉庫などの製造現場では、パソコンを設置するスペースが限られている場合があります。タブレットであれば作業エリアに持ち込みやすく、現場リーダーが従業員のスキル情報を確認しながら作業配置を決定できます。技能訓練の進捗状況を現場で記録したり、資格取得状況をその場で更新したりすることも可能です。汚れや衝撃に強いケースを装着すれば、製造環境でも安心して使用できます。

接客スタッフや医療介護スタッフを多く抱える企業では、シフト管理と人材管理を連動させる必要があります。タブレットを使えば、勤務現場で従業員の資格や経験を確認しながらシフト調整ができます。介護施設の管理者が利用者対応をしながら、空き時間にタブレットでスタッフ配置を見直すといった使い方も可能です。小型で持ち運びやすいタブレットは、常に移動しながら業務を行う現場管理者に適しています。

営業担当者が多い企業では、管理職も外出機会が多くなります。クライアント訪問の合間にタブレットで部下の営業実績や育成状況を確認し、帰社後すぐにフィードバックできます。出張先のホテルや移動中の新幹線でも、タブレットがあれば人材情報の確認や評価作業を進められます。軽量で携帯性に優れたタブレットは、ノートパソコンよりも持ち運びの負担が少ない点が魅力です。

クラウド型システムは、インターネットに接続すればどこからでも利用できるタイプです。タブレット端末にアプリケーション（ソフトウェア）をインストールするか、Webブラウザ（インターネット閲覧ソフト）からアクセスして利用します。データはインターネット上のサーバー（データを保管する機器）に保存されるため、タブレット本体の容量を気にする必要がありません。自動的に最新版に更新されるため、常に新しい機能を利用できる利点があります。外出先や自宅からでもアクセスできるため、場所を選ばない働き方に対応しています。

オンプレミス型システムは、企業が自社で管理するサーバーにシステムを構築するタイプです。タブレットからは社内ネットワークを通じてアクセスします。社外からアクセスする場合は、VPN（仮想的な専用回線）などの安全な接続方法を使用します。データを自社管理できるため、機密性の高い人材情報を扱う企業に適しています。ただし、タブレットから利用する際には接続環境の設定が必要になる場合があります。

タブレット専用設計型は、タブレットでの利用を前提に画面や操作方法が設計されているタイプです。指でのタッチ操作に最適化されたボタンサイズや配置になっており、片手で持ちながらでも操作しやすい工夫がされています。画面の向きを縦でも横でも使えるように自動調整される機能や、指でのスワイプ（画面を滑らせる操作）やピンチ（画面を広げたり縮めたりする操作）などの直感的な操作に対応しています。タブレットのカメラ機能を使った写真撮影や、手書き入力機能なども活用できます。

パソコン併用型は、パソコンでの利用を基本としながらタブレットにも対応しているタイプです。デスクワークではパソコンで詳細な分析や大量のデータ入力を行い、外出時や現場ではタブレットで情報確認や簡易的な更新を行うという使い分けができます。同じアカウント（利用者識別情報）でログインすれば、どの端末からでも同じデータにアクセスできます。ただし、パソコン向けに設計された画面をタブレットで表示する場合、文字が小さく見づらいことがあります。

全機能対応型は、パソコン版と同等の全ての機能をタブレットでも利用できるタイプです。従業員情報の詳細な閲覧や編集、評価シートの作成、組織図の表示、分析レポートの作成など、すべての操作がタブレットで完結します。複雑な設定変更や大量データの一括処理もタブレットから実行できます。画面サイズの制約があるため、一度に表示できる情報量はパソコンより少なくなりますが、スクロールやタブ切り替えで必要な情報にアクセスできます。

閲覧・簡易編集特化型は、タブレットでの利用を情報確認と基本的な更新作業に絞ったタイプです。従業員情報の閲覧や評価コメントの入力、承認作業など、現場でよく使う機能に特化しています。複雑な分析機能や詳細な設定変更はパソコンで行う前提となっています。機能を限定することで動作が軽快になり、タブレットのスペック（性能）が高くなくても快適に使用できます。シンプルな画面構成により、初めて使う人でも迷わず操作できます。

生成AIは採用から育成まで幅広い場面で活用されています。例えばOracle Cloud HCMでは、求人票の要件や候補者情報を自動で要約・生成する機能があります。さらに、複数データを分析して面接準備用の評価サマリーやフィードバック案もAIが作成します。またSAP SuccessFactorsの最新リリースでは、Work Zoneに生成AIが組み込まれ、自己申告やフィードバック文の自動生成を強化しています。企業説明ページやFAQ作成など社内コンテンツの生成も進んでおり、最近ではChatGPTなど汎用生成AIを研修や社内Q&Aに応用する動きも増えています。これらにより人事コンテンツの自動生成や個別最適化が進み、業務効率化がさらに期待されます。

現場ではタブレット端末とAIを組み合わせた人事ツールが注目されています。CloudApperのhrPadは、一般のiPad/タブレットをセルフサービス端末とし、勤怠打刻や定型的な質問対応をAIで自動化します。PaycorのAIアシスタントは“mobile-first”を謳い、社員がタブレットやスマホからいつでも会社規定の検索や質問受付が可能です。これらにより現場担当者は必要な情報を迅速に入手でき、人事部の負担軽減にも寄与します。